1日3分! レジェンド葛西の疲れない&老いないメソッド

健康・美容

公開日:2018/2/10

『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』(葛西紀明/東洋経済新報社)

「ああ肩がこる、腰が痛む…もういい年だから仕方ないか…」こんな風に毎日つぶやいているのは私だけではないと思う。アラサーからアラフォーのデスクワーカーのほとんどは、口には出さないまでも同様の思いを抱いているはずだ。だが私たちは、年齢のせいにしてあきらめるべきではない。それを教えてくれるのが『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』(葛西紀明/東洋経済新報社)だ。

 本書では、40歳を超えてオリンピックメダリストとなったスキージャンプ界のレジェンドが“体と心の両方”を強くするメソッドを公開している。「そんなすごすぎるトップアスリートのトレーニングなんて難しそう…そもそも私たちのような凡庸な人間に役に立つの?」なんて心配は無用だ。「寝る前3分でできる」「下半身だけ鍛える」「ストレッチだけでOK!」などなど、忙しい人、特にビジネスパーソンでも無理なくできる方法のオンパレードなのだ。

 世界中でレジェンド(伝説)と呼ばれる葛西紀明選手。イチローやカズと並んで、ベテランアスリートの代名詞と呼ばれる葛西氏だが、年長であるだけではない。

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“40歳を超えてオリンピックメダリストになった”“W杯最年長優勝記録保持”。さらに今回の平昌オリンピックに出場することで“史上最多となる8回目の冬季五輪出場”を達成し、もちろんメダルを狙っている。

 言ってみればただベテランであるわけではなく、選手として、そして人間として“人生のピーク”をいま迎えているというのだ。

 葛西氏は本作で「40歳をすぎてから最高の自分をつくり出す方法をみつけた」と書いている。その内容は心身を衰えさせず高めているメソッドで、くり返すが私たち一般人に向けたものだ。

 しかも“ズボラでもトレーニング初心者でも大丈夫”とうたわれているように、本当にいちばんやさしい方法をイラストと豊富な図表で、とにかくわかりやすく、読みやすく、紹介している。

 選手として35年間企業秘密にしていたメソッドをたった30のコツにまとめてある。その主な内容は以下の通りだ。

・毎日3分で疲れない体をつくる

疲れない体は正しい姿勢から。
寝る前3分でできるトレーニングで体幹を鍛えて正しい姿勢に。

・歩いても良い、1日10分の運動

運動は徒歩1日10分からはじめる。
最大でもたった30分でOK。

・40歳をすぎたら筋トレではなくストレッチ

柔軟性を高めることに重点を。
無理なく続けるために1つを丹念にする。
移動中、飛行機の中でもできるストレッチも。

・太らないからだにする食べ方

重要なのはストレスを感じないようにすること。
1週間に1.5日のご褒美デーをつくる。
代謝アップ食品に留意する。

・飲み会もOK

工夫次第で飲み会も参加自在。
カロリーの低いお酒を選び、おつまみはできるだけ糖質をエネルギーにかえてくれる食品を。

・週1ペースの老いないからだの鍛え方

全身の筋肉の70%がある、下半身を重点的に鍛える。
自宅の狭いスペースでできる20分程度の運動とは。
階段上り下りでいつでも無理なく続けられる。
ゴルフもおすすめ。

 いかがだろうか。本当に当たり前のようでいて誰でも行える、続けられそうなものばかりだ。もちろん本書にはより具体的な内容が書いてある。また身体ケアだけでなく40歳を過ぎて勝つためのメンタルコントロールについても記述があるので、そちらも併せて読んでみてほしい。

 私たちと同年代、あるいはそれ以上である葛西選手は、このメソッドをもとに現在進行形でメダルを目指している、そして手が届く位置にいるのだ。彼の言葉に耳を傾けないのは損というものだろう。

 3分だったり、週に1日だったり、本当に誰でも始めて続けられそうなこのメソッドで、いまから“人生のピーク”を目指してみるのはいかがだろうか?

文=小林恭