15分で主菜と副菜が完成! 作りおきさえ必要なくなる時短のコツ【作ってみた】

食・料理

公開日:2018/2/12

『15分で一汁一菜 毎日のごはんはこれでいい!』(武蔵裕子/講談社)

 晩ごはんの食卓には何品料理が並んでいますか? 昔から、できるだけたくさんの品数があった方が良いという考えがなんとなくありますが、今の時代に毎日実践するのは至難の業。でも、やはり健康のためには栄養バランスが摂れた食事をしたいもの。そこで最近提案されつつあるのが、ごはんに汁物とおかずが1品ずつある「一汁一菜」というシンプルなスタイルです。そんな「一汁一菜」をなんと15分で作ってしまうレシピ本が、『15分で一汁一菜 毎日のごはんはこれでいい!』(武蔵裕子/講談社)です。本書では、無理なく15分で作れる時短テクニックが満載で、これを知っているだけでもかなり得した気分に。こんなに短時間でできてしまうのなら、作りおきも必要ありませんね。そこでこの中から、一汁一菜レシピと、知っておくと便利な野菜使い切りレシピを実際に作ってみました。

■主菜を作っている間に副菜が完成!
「ひき肉のカレー肉じゃが&白菜のコールスロー」(P.18)


「ひき肉のカレー肉じゃが」は、サラダ油を熱したフライパンでひき肉がポロポロになるまで炒め、さらに玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの順に入れて炒め合わせます。ここに水を入れてアルミホイルの落としぶをし、6分ほど煮て、酒、しょうゆ、砂糖、カレー粉を合わせたものを加え、煮汁が半量になるまで煮れば完成です。

「白菜のコールスロー」は、太めにせん切りした白菜を塩でもみ、しんなりしたら水けを絞ります。これを、酢、砂糖、塩、粗びき黒こしょう、オリーブオイルを混ぜ合わせたボウルに加えて混ぜ、なじませたら完成です。

advertisement

 最初に作った一汁一菜は、主菜、副菜の2品が15分で作れてしまう、まさにこのレシピ本を代表するようなレシピです(なお、本書ではごはんに主菜と副菜、汁物なしというのも一汁一菜スタイルとしています)。ここでの時短ポイントは、通常スライス肉を使うところをひき肉にすること、落としぶたをして煮込み時間を短縮したことです。こんなちょっとした工夫でそんなに時短になるのかと疑ってしまいますが、実際に作ってみるといつもは20分ほどコトコト煮込んでいた肉じゃがが、その半分の10分で本当にできてしまいましした。しかも、野菜にはしっかり火が通りホクホクした食感、もちろん味もしみしみで、これが半分の時間で作れたのは感激です。味のアクセントとして入れたカレー粉も効いていて、箸が止まらなくなる一皿です。

 この肉じゃがの付け合わせとして選んだのが「白菜のコールスロー」ですが、こちらは余分な水分を出した白菜を調味料と和えるだけでできるので、肉じゃがを煮込んでいる10分の間に余裕で作れてしまいました。白菜から水分を抜いたので味がぼやけず、しっかり味がついたコールスローに。シャキシャキした食感もクセになります。白菜の代わりに、キャベツやにんじん、かぶなどで作っても美味しいそう。

■中途半端に残った野菜は迷わずもう1品に!「なすのきんぴら」(P.59)


 ごま油と赤唐辛子を入れて中火にかけたフライパンに、なすを加えて炒めます。ここに、みりん、しょうゆ、砂糖を加えて、汁けがなくなるまで炒め合わせます。最後に白ごまをふれば完成です。

 一汁一菜の献立に迷った時に役立つレシピなのですが、冷蔵庫に使いきれずに余った野菜をメインに使って、立派なおかずができるのは嬉しいポイント。一人暮らしや核家族だったりすると、スーパーで買ってきた野菜は多すぎて、なかなか使いきれないということはよくありますよね。そんな野菜たちも、こういったレシピを覚えていれば一汁一菜の献立に使え、簡単に使い切ることができます。いくら一汁一菜とは言え、やはり毎日献立を考えるのは大変と思うかもしれませんが、「冷蔵庫に余っている野菜を使いきるレシピ」という観点から考えれば、献立に頭を悩ませる必要もなさそうですね。

 ちなみに、一汁一菜を作る時の時短ポイントとしては、下ごしらえが楽で火の通りが早い素材を使う、野菜はあらかじめ切って保存容器などで保管しておく、翌日にも使えるように倍量作っておく、使う素材数は少なくすることなど。これらを守れば自然と時短に繋がり、結果として15分で作り終えることが実現できるそうです。

■今年は「一汁一菜」で、もっと気楽で自由な料理作りを!

 私自身も、晩ごはんは品数多くという意識が無意識にあり、それが料理を作ることの心理的な負担になっていました。でも、食べる人が満足すれば「一汁一菜」で良いんだということを知ったことで、その負担がふっと取れた感じがしました。しかも、今まで30分以上かかっていた料理時間もかなり短縮されると、自分の自由な時間も増え、まさに一石二鳥。今年はぜひこの「一汁一菜」で、家族も自分も嬉しい食卓を作ってみませんか?

文=JUNKO