その家事、本当に必要? 自分の時間が増える「大人のラク家事」

暮らし

2018/2/13

『自分8割、主婦2割 心地よく暮らす 大人のラク家事』(Rin/KADOKAWA)

 平日、概ね40代以上のある主婦の夕暮れ時。専業だろうが兼業だろうが、主婦にとっては家事・夜の部が始まる時間。メインの夕食作りの他、近ごろ話題の“名もなき家事”も次々こなし、合間にSNSの通知を確認しながら、食器や洗濯物の片づけ、入浴、必須のスキンケアやストレッチなど日々のルーティンだけで、みるみる時間が過ぎていく。夜も更けた頃に慌ててベットに入り、睡眠負債に怯えながら眠りにつく日々。

 どうしてこんなに忙しいのか? と疑問を持つことはないだろうか。ましてや子育てをほぼ終えた人にとってももう育児にかからない時間分、余裕があってもいい頃なのにと。さて、何を見直すべきなのか。

『自分8割、主婦2割 心地よく暮らす 大人のラク家事』(Rin/KADOKAWA)の著者は、娘の独立がきっかけとなり、暮らしを見直すことにしたのだという。子育てメインの生活から夫婦2人の生活に切り替えると同時に、自分のライフスタイルも再確認。片付けと不用品の処分や“ラク家事”の具体的なやり方から、「自分時間」の楽しみ方に至るまで、“大人の暮らしやすさ”に重点を置く一冊である。著書愛用のキッチン小物や自宅クローゼットなどの写真も豊富に用いて解説。読むだけではなく、ビジュアルでも確認もでき、主に40代・50代の暮らし方に役立つ実用書だ。

 著者のRin氏は、引っ越しを機に部屋をきれいにオシャレに保ち、努力を周囲にも褒められてきた。だが、表面上片付くものの、物が多く掃除もやりにくく、家事は一向にラクにならず。
「私の片づけ方に間違いがあるのでは?」との疑問が芽生え、整理収納術を学んだ。ケアマネジャー(居宅介護支援専門員)として働く傍ら、整理収納アドバイザー1級を取得。その後は様々な「ラク家事」を取り入れることにより、「自分時間」もグッと増え、夫婦2人でのシンプルライフを実践。今ではDIYも取り入れている。様子をブログで発信しながら「軽やかで自由な老後」を最終目標に日々暮らしのアップデートを続けている。

 本書では片づけを「ものを減らす」ことから始め、さらに家事の「手間を減らす」ところまで踏み込んでいる。「ものを減らす」では、まずキッチングッズを減らしてみることを提案。主婦にとっては毎日使うものを絞り込むことで、格段に家事がラクになると実感できるそう。服についても選別しやすくなる手順が書かれているのだが、ほつれやボタン欠けについてはこう言及する。

ほつれている、ボタンが取れているのに修繕していないのは、その服に思い入れのない証拠。捨てましょう!

 これからの暮らしをよりいいものにしたいのであれば「思い入れのない証拠」に情けは無用なのである。そして「手間を減らす」では、いろいろな家事の「やめました」シリーズが続く。家庭によって「当たり前」となっている家事があると思うが、現在の頻度が必要かどうか、さらにその家事をやること自体が今の自分にとって無駄になっていないかを、一度検証してみるとよさそうだ。それは今後の暮らしのいろいろな「当たり前」というブロックを外していくことになり、いい循環となっていく。

 また、著者からの片づけからもう一歩先へのアドバイスは心に響く。

片付けは目的ではなく手段です。片付けた先にどんな生活が待っているか? どんな生活がしたいから片付けをするのか?(略)自分が形にしたい暮らし方を決めると、片付け方もおのずと決まってくるものです。

 自分はどんなライフスタイルにしたいのか。本書を参考にあなたも暮らし方を見直してみませんか?

文=小林みさえ