あなたの「働き方」を改革するには「読書」を見直すことが近道になる!

ビジネス

2018/2/17

『読書HACKS!』(原尻淳一/講談社)

「読書は大切だ」という意見に間違いはないと思う。長い目で見れば、読書をして損をすることはほぼないだろう。
 しかし、読書という行為には、少なくとも時間と金銭と体力とを投資しなければならない。これだけの投資をしているのだから、欲を言えば読書を今よりももっと活かしたい。いや、活かさなければならないはずだ。

 皆さんの自宅や仕事場にも本棚、少なくとも本を置くスペースは存在するはずだ。その本棚を「ただの大量の文字情報」と捉えるか、はたまた「付加価値溢れるデータベース」と捉えるかでは、読書と仕事、さらには読書と人生との結びつきは大きく異なることだろう。「働き方改革」が進められる今だからこそ、自分の中で固定化されてしまった「読書体験」を見つめ直したいものだ。
 本稿では『読書HACKS!』(原尻淳一/講談社)という一冊をご紹介したい。本書は「読書はインプットではなく、アウトプットである」という視点から、ライフハッカーたちが実践している数々の超効率・超高速「読書ハック」が説かれている。

■“インプット読書”から“アウトプット読書”への転換に必要なポイント


 かつて、いや、今でも「読書=教養(勉強)」という“インプット”の感覚は根強い。これは誤りではないのだが、少なくともこれからの社会を生き抜くのに最適な感覚だとは言い難い部分もある。そこで本書が提案するのが“アウトプット”の読書。一貫して「創造するために人は本を読む」という側面を強調している。
 この概念は新しいようではあるが、本来読書の根底にあるべき姿勢ではないだろうか。“教養”という名のもとにいやいや苦し紛れの読書を繰り返すのではなく、行動と読書を積極的につなぐことで、情報を循環させ、知を頑強にしながら優れたアウトプットを生み出すための準備までを仕組み化するのが本書の構えだ。

■キャリアアップや転職活動のための「読書術」

 本書では実に幅広く具体的かつ実践的な読書術が説かれているが、その中から、現代のビジネスパーソンのための読書術を具体的に紹介したい。今話題の「働き方改革」を個人でも能動的に進めていくためには欠かせないメソッドだ。

 キャリアアップのために転職をすることも珍しいことではなくなった昨今の多様な働き方だが、実情として、多くの転職希望者が「職種専門的な技能」を軽視しすぎていると著者は説く。「わたしは一般技能に関してはずば抜けている。御社では新たな職種専門的技能を経験し、今より成長したい」と平気で発言する人が後を絶たないというのだ。この状況に対して著者は警鐘を鳴らす。

 中途採用のポイントを極端にいえば、企業サイドは個人の持っている「職種専門的技能」を判断して買う。つまり、ビジネスマンが今やるべきことは、「現在、所属している部署のスペシャリスト」になり、手っ取り早くそこで自分自身の「ホーム・グラウンド」をつくることだ、と著者は説く。
 そのために、新入社員は今すぐ何をすべきか。それはズバリ、「できる先輩の本棚を覗きに行く」ことなのだ。

本棚というのは不思議なもので、その人の性格や思考を表しているところがあります。面白いのは、慣れてくると今度はその人がなにに興味を持っているのかがうっすらとわかってくることです。さらに続けていくと、波長というか、自分の志向性と合う人、合わない人がわかってきます。それで、見ていく本棚もおのずと取捨選択されていきます。(本書152ページより)

 読書は人を作り上げる。そういう重要な作業だからこそ、今こそ見つめ直したい。「読書改革」はきっとあなたの「働き方改革」とも密接にリンクするはずだ。

文=K(稲)