補助金、観光客ゼロから6年で30万人が集まるように! 35万円で10億円の経済効果を生んだメソッドとは?

暮らし

2018/2/23

『35万円で10億円の経済効果を生んだメソッド まちづくりの非常識な教科書』(吉川美貴/主婦の友社)

 人生では、いざ目標に向かおうとすると、目の前にいくつもの壁や障害が立ちはだかることがある。そうしたときに知りたいのが、「突破術」だろう。

 目の前の課題・難題をいかに乗り越えるか? その助けになるのが、『35万円で10億円の経済効果を生んだメソッド まちづくりの非常識な教科書』(吉川美貴/主婦の友社)だ。

 本書を読んでまず驚かされるのは、まちづくりのような大規模プロジェクトが夫婦ふたりのアイデアと行動から始まったという点だ(本書著者の吉川美貴氏とご主人の吉川真嗣氏)。
 新潟県・村上市を再生させた数々のプロジェクトは20年前の1998年に、「村上の古い町並みを生かしてもっと地元を活性化できないか」と思い立ったことから始まる。

 町おこしのきっかけとなったのは、当時、商店街や行政が村上市の江戸風情を残す町屋街を取り壊し、道路を拡張して近代化させるという、地域保存とは真逆の政策を推進することで合意に達しようとしていたことだった。

 逆風の中、経験も資金もないスタートから20年後には年間30万人の観光客が集まる一大ムーブメントへと成長する過程の、数々の「成否を分けたポイント」を、「非常識」(既成概念にとらわれない発想や行動)という切り口から具体的に教えている。

 では本書で解説されている、目標に向かう際に立ちはだかる壁の非常識な突破術の中から、いくつかの素晴らしい教訓を紹介しよう。

●「できる範囲で」やろうとしない

 何かをするとき「無理せず、できる範囲で頑張ろう」という聞こえの良いフレーズがよく出てくる。しかし「できる範囲で」と言われたら、「はたして自分のできうる限りのすべてを出しきる人がどれだけいるのだろうか」と著者は問う。

 つまり、最初から全力をあげて事にぶつかっていき、「結果が出てこそ、賛同してともにやってくれる人があとにつづく」のだという。

●「みんなで」頑張ろうとしない

 何かを成し遂げるとき、「みんなではなく、あなたひとりでも頑張りますか?」と、自分に問いかけることが重要だと著者は説く。つまり、「ほかの人がするかしないかではなく、肝心なのはあなたがほんとうに動くのかどうか」なのだ。

●「大勢集まって会議」をしない

 何かをするとき、多くの場合、「まず会議」ということになる。しかし、大勢が集まると意見のつぶし合いで終わり、時間の無駄も多い。それよりもごく少人数で企画を決めてしまい、「会議より先に事を起こし、いち早くプロジェクトを目に見える形にすること」を著者は推奨する。

 他にも「お金をかけずに事を起こす」「資源がなくても町おこしはできる」「組織がなくても事は起こせる」といった説得力のある非常識な知恵と突破術が詳細に記されている。

 当然ながら、まちづくりや地域活性化に関わっている人たちには、実践的かつ効果的なハウツーは即使える有効ものになるだろう。しかし、本書の魅力はそれだけではない。まちづくりとは無縁であっても、「自分の夢や目標を実現したい」「チームワークを学びたい」「会社のグダグダな会議やプロジェクトを強化したい」といった人たちにとっても、大いに参考になるアドバイスがぎっしりと詰まった「勇気がもらえる」一冊なのである。

 ぜひ、本書から突破術を学び、目標へ向かって大きく羽ばたいていただきたい。

文=町田光