もう初対面でも会話に困らない! 自己紹介、歓送迎会…これからの時期に知っておきたい「話し方」のコツ

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公開日:2018/2/23

『もう初対面でも会話に困らない! 口ベタのための「話し方」「聞き方」(講談社+α新書)』(佐野剛平/講談社)

 会話が上手な人って憧れますよね。ライターという仕事柄、筆者もふだんから初対面の人と会話を“弾ませなきゃいけない”場面が多いのですが、じつは、大の苦手だったりします……。似たような悩みを持つ人は多いと思いますが、そんな人たちにおすすめしたい一冊が『もう初対面でも会話に困らない! 口ベタのための「話し方」「聞き方」(講談社+α新書)』(佐野剛平/講談社)です。

 NHKの人気番組『ラジオ深夜便』で“ゲストの本音を聞き出す達人”として活躍していた元アナウンサーの著者が、話し上手、聞き上手になるためのコツを丁寧に教えてくれます。

■自己紹介は「話し方」を身につける上での心得を学べる

 学校や職場で挨拶をする機会が増えるこの時期。避けて通れないのが、自己紹介の場面です。初対面の人たちに自分をどう伝えるべきか、何度味わっても慣れることなく、毎回あたふたしてしまう人たちも多いかもしれません。

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 本書の著者は「自己紹介には『話し方』を身につけるうえで大切なことが凝縮されています」といいます。そして、押さえておくべき鉄則はただ一つ。話の内容に「なるべく具体性を盛り込む」ことです。出身地の料理や、飼っている猫の種類、趣味の旅行で訪れた場所など、パッとイメージが浮かぶようなキーワードを用意すれば、自分をより強く印象づけられるのです。

 そのためには事前の準備が欠かせないのですが、著者は本書で内容を整理するためのメモ「自己紹介虎の巻」を作る方法をすすめています。

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本書P58より

 趣味やビジネスなど、場面によってこの中からいくつかの項目をピックアップするだけでもオッケーです。今の時代なら、スマホにメモしておくのもいいかもしれません。

■ときには“沈黙”も恐れずに会話するのが「聞き上手」のコツ

 会話といえば「話し上手は聞き上手」なんていう言葉も、よく聞きます。どちらかが一方的に話すだけでは会話も弾まないし、それこそ、キャッチボールがなければ自分も相手も疲れてしまいます。

 話すのも聞くのも「一生懸命」な姿勢が大切だという著者ですが、なかでも聞くときに肝心なのは、言いたいことを抑えて「格好をつけない」こと。相手へ素直に尊敬や関心をもって接しながら、ときには合間で「自分をさらけ出す」ことも忘れずに会話の流れを進めるのがポイントだといいます。
「世の8割の人は話したがり」であると肝に銘じよ、という著者ですが、なかでも聞き役に回るときに肝心なのは、「格好をつけない」こと。相手に対し、素直に尊敬の念や関心をもって接しながら、ときには「自分をさらけ出す」ことも恐れずに会話を進めるのがポイントだといいます。知ったかぶりや背伸びはせず、知らないことは率直に聞いてしまってよいのです。

 また、細かな部分では例えば「相づち」も一つの武器になります。日常でも「はい」「へぇ」といった言葉はよく使われますが、著者がさらにおすすめするのは相手を気分よく乗せるための「促し言葉」。一辺倒になりがちな相づちに「それじゃ、大変だったでしょう」などの一言を加えることで、相手との間により共感が生まれるといいます。

 そして、会話でたびたび訪れる“沈黙”もじつは大切なこと。イヤな空気が流れているなと感じてしまいがちですが、沈黙を恐れずにじっと耐えてみるとその先で「口をひらいた相手から深い話が語られること」がよくあると、著者は『ラジオ深夜便』でのインタビュー経験を振り返ります。

 何気ない会話は、コミュニケーションに欠かせません。話し上手、聞き上手になればきっと、毎日の生活もよりいっそう充実するはずです。

文=青山悠