独特な世界観が人気の「ハクメイとミコチ」に登場する料理を再現!【作ってみた】

マンガ

公開日:2018/2/28

『ハクメイとミコチ』(樫木祐人/KADOKAWA)

 身長9センチの小人である2人の女の子・ハクメイとミコチを中心に、絵本のような独特な世界の日常を描く『ハクメイとミコチ』。『ハクメイとミコチ』(樫木祐人/KADOKAWA)は、KADOKAWAが刊行している漫画誌『ハルタ』で連載されており、この2018年冬アニメとしても放送され、人気を博している。

 本作品は、細かく描かれた小人や動物たちが暮らす世界、そしてキャラクターが魅力的なのはもちろんのこと、食べ物が非常に魅力的に描かれている。主人公の1人であるミコチは、料理が大好き。小人から見る食料はどれも大きく、それを見ているとこちらまで魔法にかかって小人化したような気持ちになってくる。そんな大きな食べ物を細かく切り、丁寧に調理していく様子を見ていると、非常におなかがすいてくる……。

 細かい作り方まではあまり紹介されていないが、料理名や食材、アニメでの描写などから推測すれば、似た料理は作れるのでは……? そこで今回は、アニメで出てきた料理の中から、実際に2品作ってみた。

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■カフーの好物「ミネストローネ」


 1つ目は、第1話に登場する「ミネストローネ」。昔、ミコチの家に1羽の白い鳥が度々訪れていて、ミコチはその鳥に「カフー」という名前をつけ、毎朝エサをあげていた。その時に作っていたのが、ミネストローネ。ある日、大きく成長して“夕焼けトンビ”と呼ばれるようになったカフーと再会を果たし、再びミネストローネを振る舞う様子が描かれている。

 ミネストローネの作り方は特に描かれていないが、トマトをたくさん籠に入れているシーンがあるので生のトマトを使って作っていく。材料は、ソーセージ、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、にんにく、トマト、ローリエ、ドライパセリ、調味料としてコンソメ、塩胡椒、砂糖を使用。細かく刻んだ材料を炒め、水、調味料でコトコト煮込めば完成。

 食材の出汁とシンプルな味付けでできたミネストローネは、カフーが通うのも分かる美味しさ。生のトマトを使用しているので、トマト缶とは違うフレッシュな酸味と甘みを感じられるのも嬉しい。

■野宿の夜に作った「山菜と干し肉のリゾット」


 2つ目は、3話で登場する「山菜と干し肉のリゾット」。ハクメイが家に置いていた火薬が爆発し、家を修理する間野宿することになったハクメイとミコチ。そんな中で作った料理の1つ。野宿に不慣れなミコチは最初乗り気でなかったが、ハクメイが作った即席キッチンを目の当たりにし、一気にテンションがあがる。彼女たちのサイズではお米も大きいのか、ハクメイがお米を必死で砕き、それをミコチが調理している。

 アニメ内ではのびる、干し肉、松の実、こごみ、しいたけ、お米を使って作っているが、入手困難なため、のびるをにんにくと玉ねぎ、干し肉をジャーキーに変えて作ってみようと思う。

 刻んだ材料とお米を炒め、水とコンソメ、塩胡椒を加えて好みの硬さになるまで煮込めば完成。

 ジャーキーやきのこ、玉ねぎ、山菜の出汁をたっぷりと吸ったお米は旨みの宝庫。野宿をする中、限られた食材でこれを作ろうと考えたミコチは、商店街でみんなに頼られているだけある。ぜひともレパートリーに加えたい味に仕上がっていた。

 もちろん筆者が小さくなったり巨大な食材を入手したりすることはできないので、作り方は人間仕様になってしまうが、アニメを観てから作ると、気持ちとしてはミコチが調理しているような、ちょっと特別な感覚が味わえる。ミコチはいつも丁寧に、食べる相手のことを思いながら丁寧に丁寧に料理を作っている。それが伝わってくるから、より料理が美味しそうに見えるのだろう。

 アニメはまだ折り返し地点。今後も続々と美味しい料理が登場すると思われる。また、原作コミックスも現在6巻まで刊行されており、アニメにはまだ出ていない魅力的な食べ物や飲み物、日常をたくさん見ることができる。自然とともに暮らしているハクメイとミコチの日常を、彼女たちをとりまく世界を、アニメと漫画の両方から存分に感じてほしい。きっと、現実での日々の食事がいつもより輝いて見えてくる。

調理・文=月乃雫