東大が調べてわかった。ふくらはぎが細すぎる人は、3.2倍も多く亡くなっていた!

健康・美容

2018/3/16

『東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣』(飯島勝矢/KADOKAWA)

 いきなりショッキングなデータかもしれない。タイトルは、東京大学が千葉県柏市で約2000人の無作為抽出の自立している65歳以上を対象に、「人はどんなふうに衰えていくのか」を研究しているかつてない大調査、「柏スタディ」での結果である。自分の指でふくらはぎを囲んだときに、すき間ができる人は、囲めなかった人に比べて3.2倍も多く亡くなっていたのだ。
 高齢者とはいえ、当初は「自立していた人」。4年間の追跡調査中に起きたできごとに、研究チームも驚いたようだ。

■指輪っかテストでわかること

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 これは「指輪っかテスト」という方法で、医師がそばにいなくてもできるのでやってみてほしい。
両手の親指と人さし指で輪っかを作り、利き足でないほうのふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに囲む。そして、すき間ができるかどうか。これだけで「将来、自分が寝たきりになる危険性があるか」の情報が得られる。
指輪っかテストは「柏スタディ」で得たおよそ260項目の実データ(エビデンス)を背景に考案され、全身の筋肉量の減少や、筋力が落ちている「衰え」の気づきとなるという。

■40代からのささいなサインを見逃さない

「フレイル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。フレイルは「健康」と「要介護」の中間地点。「筋力の低下」と、「認知機能の低下」、「社会性の低下」の3つが複雑にからみあった状態で、大切なのは、兆候に早く気づけば「健康」に戻れる可逆性がある時期であること。
 サインが出始めるのは40代ぐらいからが多く、「むせ」「食べこぼし」「滑舌の悪さ」「疲れやすくなった」「人と会うのが前よりめんどう」…などだそうだ。

 こうした見逃したくないサインをはじめ、フレイル予防について具体的なメソッドを紹介しているのが、3月1日に発売された書籍『東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣』。著者は医師で、東京大学の高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授だ。

■1日に約80gのたんぱく質を

 40代以降というと、「メタボ」の3文字がちらつき出す人も多くなるが、本書で著者は「40代から65歳以上の高齢期に移行する際には、今までのメタボリックシンドローム予防一点張りだった考え方を大きく変えるべき」と解説している。
 フレイルの原因は大半がたんぱく質摂取の絶対量不足で、健康のためにと、肉や卵、脂っこいものを避けてき人が、60代になって急に肉食になっても、消化酵素や腸内環境が変わっていて十分な吸収はできないことを、早くからわかっていてほしいという。
 つまり、40代からはメタボに気をつけつつも、たんぱく質リッチな、ゆるやかな肉食系にギアチェンジすることが大切なのだ。

 では、1日どのぐらいたんぱく質をとればいいのか。体重60㎏の人なら約80gが目安だそうだ。本書にはこのため、オールカラーの「427品目のたんぱく質データ事典」が綴じ込み付録でつけられている。170gのサーロインステーキで35.9g、ゆで卵1個で7.7g…。自分自身が、いったい1食あたりどのぐらいのたんぱく質が取れているのかが、ひと目でわかる。カロリーも考えると、やっぱりとりむね肉がいいのだな、などと、食生活のヒントも満載だ。
「衰えない人」とは、たんぱく質を早くから味方につけてきた人といえそうである。

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