クソ嫁からは“なる早で”逃げたもん勝ち! 知っておきたい「男の離婚ケイカク」

恋愛・結婚

公開日:2018/3/15

『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で!!!!!』(露木幸彦/主婦と生活社)

 毎朝、眠い目をこすりながら満員電車に揺られるサラリーマンは、痴漢冤罪の恐怖、またそのリスクと日々闘っている。あるいは、男性も家事をするのは当たり前のいま、一所懸命料理や洗濯をしても、ありがたがられるどころかやり方が違うと怒られる始末…。

 現代社会は、様々な面で「男尊女卑」という古い風潮を改善しようと努力をしているが、時たま、「女は献身的、男は身勝手」「女は弱く、男は強いから、男は厳しく罰するべき」といった「男卑女尊」とも取れる状況も発生している。

 そんな今の時代、男が大きく不利なものがもう一つある。それが「離婚」だ。

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「男の離婚」のスペシャリストが手掛けた『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で!!!!!』(露木幸彦/主婦と生活社)という1冊をご紹介したい。行政書士、ファイナンシャルプランナー、男女問題研究家である本書の著者は、離婚・不倫など「男女トラブル」を専門に扱う行政書士事務所を開業し、1万件近くの案件を扱ってきた経験を持つ。特に妻の多重債務、不倫、ヒステリー、育児・家事放棄などに悩む「男性の離婚相談」を得意とし、理不尽な状況から数多くの男性を救ってきたことでも有名だ。

 本書はそのタイトルのインパクトこそ強烈だが、内容を見てみると「男の離婚」に必須のガイドブックであると頷ける。まず第1章「男の離婚は普通に闘えば“負け戦”」では、離婚によって圧倒的不利な状況に追い込まれた男性たちの実例と、目指すべき協議の方針、専門家の選び方などが説かれている。また第2章「クソ嫁事件簿 実例に学べ!まさかに備える離婚術」では、結婚相手に落ち度がある場合の実例と、そのような状況で理不尽な離婚を強いられないためのテクニックが、そして第3章の「争点別 再出発を見据える 男の『離婚協議』裏テクニック」では、親権と養育費、子どもとの面会、財産分与など、罪のない我が子を賢く守るために知っておきたい知識が、専門家の視点から詳しく解説されている。

■不倫即バレ時代

 本書の内容をここに全てご紹介するのは難しいので、個人的に印象深かった話を1つご紹介したい。

突然ですが、質問です。
「不倫の相談」が1年のなかでいちばん多いのは何月でしょうか?

正解は8月。しかし、5年前は「10月」でした。この5年間で何が変わったのでしょうか? 不倫の相談者の大半は「バレたとき」にやって来るというのがヒントです。
(68ページ)

 暑さの厳しい8月。人妻が誘惑に負けて、ちょっとハメを外し、夫以外の男に身体を許すという「夏休みのアバンチュール」は、今も昔も変わらぬ夏の風物詩であるという。そして、「探偵に頼んでいた証拠をようやく入手」「久々の性交渉で避妊に失敗し、妊娠が発覚」などで8月の不倫がばれるというのは、昔は秋の風物詩だったそうだ。

 しかしここ5年間でのIT技術の進歩により、いわゆる「ヤッた日」と「バレる日」の時間差が驚異的に短くなったと著者は説く。SNSが浸透した今のご時勢、リアル友達のほとんどはネット社会でも友達。不倫関係だってSNSを通せば丸見えなのである。

 もしSNS上で妻の浮気を疑った場合、心情としてはつらいだろうが、いつ投稿が削除されるか分からないので、第一段階として疑わしき投稿は写真に収めておくべきだと著者は説く。さらに情報を収集するために、動画や写真の背景から、場所や車のナンバーなどの証拠もしっかりと押さえておいた方が、理不尽な離婚も避けやすいという。

 本書は、現在自分の結婚相手に落ち度があり離婚を考えている男性や、離婚するにあたり苦しい戦いを強いられている男性には必須の1冊だと言えるだろう。またそれ以外の、未婚既婚問わず全ての男性も、万が一に備えて目を通しておいても損はない。愛する結婚相手や将来の奥さんが“クソ嫁”に豹変することや、それが原因で離婚することなど、想像したくもないだろう。身内が亡くなった時のことについて考えることと同じように、だ。しかし、突然の離婚は圧倒的に男性が不利であるということを肝に銘じておかなければならない。本書は、そういった状況下にある全ての男性を支える1冊であると感じた。

文=K(稲)