「脳内実況ぼっち男子」の日常に異変…! 美人ギャルとの恋の行方は? 異色のラブコメ漫画

マンガ・アニメ

2018/3/17

『実況!!泉くんの恋模様』(原田重光:原作、大箕すず:作画/白泉社)

 学校生活において、スポーツマンや秀才、ギャルなどの目立つ生徒は「スクールカースト」と呼ばれる序列の上位に君臨する。人気者である彼らは生徒たちからの注目を集め、常に羨望の対象となるのだ。その一方で、スクールカーストの下位に位置する者たちもいる。彼らはオタクだったりコミュ障だったり、とにかく目立たない生徒たち。この上位と下位との間には大きな隔たりがある。

 2月28日(水)に第1巻が発売されたばかりの『実況!!泉くんの恋模様』(原田重光:原作、大箕すず:作画/白泉社)は、そんなスクールカーストをモチーフに、人気者たちと“ぼっち”との交流を描いたラブコメだ。

 主人公となる泉くんは、口下手・ビビリ・無愛想の三拍子が揃ったぼっち男子。クラスでは決して目立たず、名前すら覚えてもらえない最下位の生徒である。そんな彼が唯一自分を保つための手段、それは目の前の光景を「脳内で実況すること」。生徒たちの楽しそうな様子を実況することで、青春の“傍観者”に徹しているのだ。

 しかしある時、スクールカースト上位チームに所属するギャル・篠原さんに声をかけられたことで、彼の青春はガラリと変わってしまう。ただの傍観者だった泉くんは、彼女らとカラオケに行ったり、ランチを一緒に食べたりと、想像もしていなかった状況に巻き込まれていく。とはいえ、泉くんが彼女たちの輪に馴染めるわけもなく……。

 そんな泉くんが存在感を放つのが、「実況スキル」だ。脳内で展開していた実況が思わず口をついて出てしまったことから、彼は少しずつ傍観者ではなくなっていく。そして、そのスキルの高さを誰よりも評価してくれているのが、篠原さん。彼女は泉くんの声の良さを指摘し、「もっと喋ればいいのに」と微笑みかけ、挙げ句の果てには林間学校で行われるレクリエーションの司会に彼を推薦してしまう。傍観者ではいられなくなったぼっち男子は、はたしてどこまで輝くことができるのだろうか。

 泉くんが抱く「話したいのに、話せない」というもどかしい気持ち。思っていることを相手にうまく伝えられない。これは誰もが少なからず共感できることではないだろうか。そこに救いの手を差し伸べる篠原さんは、まさに女神のような存在。泉くんが彼女に恋をしてしまうように、読者もその魅力に夢中になってしまうだろう。

 第1巻のラストでは、その恋心を自覚し、それが知られてしまうこととなった泉くん。スクールカーストの上位者と最下位の恋は、いったいどうなっていくのか。この一風変わったラブコメは、きっと読者の胸を高鳴らせてくれるはずだ!

文=五十嵐 大