佐藤健と高橋一生が初共演! 映画公開前に知りたい『億男』のストーリーの内容

エンタメ

2018/3/19

『億男』(川村元気/文藝春秋)

 2015年の本屋大賞のノミネート作であり、累計56万部突破を記録した川村元気さんの小説『億男』(文藝春秋)が、この秋、実写映画としてスクリーンに登場することとなった(10月19日全国東宝系にて公開)。

 宝くじで3億円が当たり、突如億万長者となった図書館司書の男性が、「お金と幸せ」について考える30日の奇妙な冒険を描いたこの物語は、クセのある登場人物ばかりなのが味わいのひとつ。このほどキャストが発表されたが、3億円を当てた図書館司書・一男役に佐藤健さん、一男の親友の大富豪・九十九役に高橋一生さんが決定。そのほか藤原竜也さん、北村一輝さん、沢尻エリカさん、池田エライザさんと豪華かつ個性的な顔ぶれがズラリと並ぶ。メガホンを取るのは『ハゲタカ』『るろうに剣心』シリーズを手掛けた大友啓史監督とのことで、どこか現代の寓話的な持ち味の物語がどう発展するのか期待が高まる。3月9日に文春文庫版の『億男』が登場したが、解説を高橋一生さんが手掛け、「僕は俳優として映画に参加させていただけることになった。作品作りにあたって、原作、監督からスタッフ、共演させていただく俳優まで、愛してやまない人たちと作ることができる」と、映画に対する思いを語っているのも注目だ。

 未読の方のために、少し物語をおさらいしておこう。3000万円の借金を残して失踪した弟の借金を肩代わりしたことで、自らの妻子との別居を余儀なくされた図書館司書の一男は、たまたま福引で引き当てた宝くじが3億円に当せん。突然のことに呆然とする一男の目に飛び込んできたのはネットの「大金を手にして不幸になった人の末路」情報ばかり。不安に襲われた一男は、大富豪となった学生時代の親友の九十九を15年ぶりに訪ね「お金と幸せについて教えてほしい」と頼むと、九十九は札束をばらまくような乱痴気騒ぎを突如みせつけた翌朝、一男の3億円と共に失踪してしまう。途方にくれる一男は、社会に出てからの九十九のことを何も知らないことをあらためて思い知る。九十九はどんな男だったのか、彼と関わりの深かった元同僚たちに話を聞くことで必死に行方のヒントを探ろうとする一男。いまや億万長者となった彼らが語ったのは、それぞれの「お金と幸せ」についての物語だった…。

 随所に挟まれるソクラテス、ドストエフスキー、チャップリン、福澤諭吉、ビル・ゲイツなど数々の偉人たちの金言もグッとくるが、執着をなくそうとすればするほど、さらに執着が生まれる「お金」の威力に魅入られた億万長者たちの話がまた興味深い。戸惑いながらも「お金とうまくつきあう方法はないのか?」「本当の幸せとは何か?」と実直に問いかけ続ける一男の目線で世界を見渡すと、そうした根源的な問いは自分に向けられたものにもなる。簡単に「プライスレス」とは言い切れない「欲」を、私たちはどうしたらいいのだろう。九十九を探す一男の旅は、私たち自身が私だけの答えを探す旅でもあるのだ。

 なお文庫の発売を記念して文藝春秋では「“幸せ”は○円で買える、なぜなら……だから」の答えを募る賞金100万円のキャンペーンもスタート(詳細はキャンペーンサイトを参照。締め切りは8月31日)。あなたにとっての「お金と幸せ」について、考えるきっかけにしてはどうだろう。

文=荒井理恵

▼『億男』文庫発売記念キャンペーンサイト
http://books.bunshun.jp/articles/-/4132