やっぱり結婚したい…! 晩婚で幸せをつかむ秘訣

恋愛・結婚

2018/3/21

『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方(講談社+α新書)』(大宮冬洋/講談社)

 昨年の5月に電撃結婚を発表した阿川佐和子さん。エッセイストやコメンテーターとして「阿川節」を炸裂させ、幅広い世代から支持されている。知的でチャーミングな女性で、パートナーの存在は認めるも、60歳を過ぎても独身を貫いていた。そんな彼女の突然の結婚発表は大きなニュースとなった。

 しかし、いまは人生100年といわれる時代。60歳を過ぎても、まだ数十年という時間が残されている可能性が高いのだから、「結婚」という決断をしても不思議ではない。若くて元気な時には独り身の自由を満喫していても、年を取れば誰かと支え合いたいと思うようになるかもしれない。生涯未婚率(50歳までに一度も結婚をしない人の割合)が上昇していると聞くと、一生独身を貫く人が増えているように感じるが、50歳以降に結婚を考える人も意外と多いのかもと思う。

『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方(講談社+α新書)』(大宮冬洋/講談社)では、自身も「晩婚」を経験した著者が、35歳以上で結婚した人たちを「晩婚さん」と呼び、80人以上の晩婚さんに取材。そこから見えてきた、晩婚夫婦の現状や大人の婚活ノウハウについてまとめている。

 著者の取材対象となった人たちは、年齢も職業も、晩婚に至った経緯も様々。独身を満喫し、仕事をある程度やり切ったと感じた人は、家庭での生活を楽しんでいるという。相手の選び方も若い頃とは変わり、「ギャップや意外性がある人」ではなく、「居心地の良さ」を求める人も多い。若くして結婚した場合の新婚生活とは少し違うが、精神的にも経済的にも独立した晩婚夫婦には余裕がある。お互いを尊重しながら生活を楽しむことができるのだ。

 晩婚には、若い時とは違ったメリットが多々あるわけだが、障壁もある。第一に、「親の世話」だ。結婚した時には、すでに親が年老いているので、お互いの親の介護をどうするのかを考える必要がある。さらに、「子ども」も晩婚夫婦には大きな問題。子どもを持ちたいなら時間の猶予はあまりないし、必ずしも子どもができるとは限らない。そのような状況で、本書では「里親」という選択をした夫婦も紹介されている。里親の認定をもらうのは簡単なことではないが、生涯の伴侶とともに、「みんなの子」「社会の子」の健全な成長に関わるのも素晴らしいことだ。

 結婚はしたいけれど、普通に生活していてもピンと来る人に巡り会えない。これは年齢にかかわらず、結婚を望む多くの方の悩みではないだろうか。だが、婚活市場においてはそうも言っていられない。晩婚といわれる年齢に突入した人の婚活は厳しさを増す。その中で、晩婚さんになれる人には、以下の3つの共通点があると、著者は指摘する。

(1)身ぎれいで爽やかな印象を受ける
(2)笑顔が多くて感じがいい
(3)主体的な努力を惜しまない

 特に大切なのは(3)。若い頃と比べると日常生活での出会いは少なくなるため、自分の置かれた状況に向き合い、前向きに努力を続けることが重要だ。

「結婚適齢期」という言葉はあるが、あくまでも人それぞれそれは自分で決めるものだと著者は述べる。20代が適齢期の人もいれば、60代が適齢期の人もいる。他人同士が家族になり、支え合いながら生きていくのは素晴らしいことだが、苦労もあるだろう。だからこそ、自分の納得できる結婚をしたいものだ。一度失敗しても、あきらめさえしなければ、またチャンスは巡ってくるのだから。

 タイトルにもあるとおり、本書には、晩婚で幸せをつかむヒントがたくさんちりばめられている。独身の人でも、すでに結婚した人でも、自分にとっての幸せは何かを考えるきっかけになりそうな一冊だ。

文=松澤友子