料理の新常識!? “コールドスタート”なら焦らず美味しくできる【作ってみた】

食・料理

2018/3/29

『冷たいフライパンに食材を入れてから火にかけるコールドスタート』(上田淳子/自由国民社)

「熱したフライパンに油をひいて…」という文言はレシピ本でよく見かけますよね。でも、実際この通りにやると、食材を入れたあとは時間との勝負で、慌てて調味料を加えたりして、バタバタしながらなんとか料理が完成、ということになります。でも、ある調理法にすれば、焦る必要はまったくなく、むしろゆっくり下準備ができ、後片付けも楽にできるんだとか。

 その調理法とは、材料をフライパンに並べてから火にかける「コールドスタート」というもの。最近この方法で作るレシピを紹介した『冷たいフライパンに食材を入れてから火にかけるコールドスタート』(上田淳子/自由国民社)が発売になりました。まだあまり耳慣れない「コールドスタート」ですが、実際作ってみると幅広い調理に使え、基本的にフライパン任せでOKなので失敗も少なく、これから料理を始めたいと思っている人にもぴったりなんです。本稿では、この中から、メイン2品、副菜1品を作ってみました。

1.網焼きのようにふっくら! 「塩さばのフレッシュトマトソースがけ」(P.22)

 フライパンに油をひき、ゴムベラで広げたら、塩さばを皮を下にして置き、ふたをします。中火にかけ、パチパチ音がしてきたら約3分焼きます。

 そして、ふたを取り、余分な脂をふき取ったらさばを裏返し、そのまま約2分焼きます。これを皿に盛り、最後に、トマト、玉ねぎ、オリーブ油、レモン汁、塩、こしょうを混ぜ合わせたソースとちぎった青じそをのせれば完成です。

 1品目は、切り身魚を使ったレシピです。一般的に魚を焼く際には魚焼きグリルを使うことが多いですが、身割れしたり、後片付けが大変だったりして、魚を焼くこと自体が億劫に感じたりしますよね。でも、コールドスタートで焼くと、じわじわと焼くことで余分な脂を出しながら焼くことができるので、できあがりは、皮はパリッ、型崩れせず、魚焼きグリルで焼いたようにふっくら。

 しかも、さば独特の臭みもまったくなく、ここにトマトソースが合わさって、さっぱりした1品に。何より、洗い物がフライパン1個だけで良かったのがうれしい。さばというと和食で使われることが多く、全体的に茶色イメージですが、こんな鮮やかなイタリアン風にも使えるとは新鮮です。

2.水なしでしみしみ&ふっくら「蒸し肉じゃが」(P.62)

 フライパンにじゃがいも、にんじん、玉ねぎとサラダ油を入れ、全体をからめます。この上に、牛薄切り肉を1枚ずつ広げてのせ、砂糖、みりん、しょうゆ、酒の順に振り、フタをして中火にかけます。沸いたら弱めの中火で約5分加熱し、時間が経ったら底から混ぜ、再びフタをして約3分加熱。最後に軽く煮詰めれば完成です。

 2品目は、牛肉を使った肉じゃがレシピです。肉じゃがと言えば、「煮物」料理の代表格ですが、煮すぎてじゃがいもが煮崩れた経験はありませんか? 簡単なように見えて、実は水加減、火加減、煮加減が難しく、しかも時間もかかるのになかなか美味しい肉じゃがにたどり着けなかったりしますよね。

 でも、今回のように「コールドスタート」&“蒸し”で作ると、そういった難しい調整がまったく必要なく、短時間で完成してしまいました。しかも、甘じょっぱい味がしっかり食材ひとつひとつに染み込んでいるにもかかわらず、じゃがいもはホクホクでキレイな形を保ったまま。また、水なしで蒸すことで、野菜の甘みがぎゅっと凝縮され、本格的なんだけれど、どこかとっても懐かしい味がする1皿でした。どの野菜もちょうど良い柔らかさになっているのも驚き! 今までじっくり時間をかけて煮てきたのは何だったんだと、見事に裏切られる美味しさです。

3.メイン調理中にささっと完成「キャベツとハムの甘酢あえ」(P.104)

 キャベツを耐熱ボウルに入れてふんわりラップをしたら、600Wの電子レンジで3分加熱します。これの水けを軽く絞ってボウルに入れたら、酢、砂糖、塩、ハムを加えて混ぜ合わせれば完成です。

 3品目は、コールドスタートでメインを調理している間に、火を使わずに簡単に作れてしまう副菜レシピです。コールドスタートで調理すると、基本的にはフライパン任せなので自分の手が空きます。この間に、簡単な副菜を作ってしまえばあっという間に献立の完成です。しかもこのレシピは、電子レンジのみで調理できてしまうので、洗い物も少なくラクチン。出来たものを食べてみると、短時間で作ったとは思えないほどキャベツにしっかり味がついていて、春らしい、美味しい箸休めになりました。

 これらの他にも、しっかりフライパンを熱しておく必要がありそうな、ハンバーグや炒め物レシピなども紹介されていて、今までの常識を覆すようなレシピにたくさん出会えますよ。

慌てる必要がないから、料理が楽しく作れる

 あまり料理が得意でない人ほど、火にかけてから「料理は時間との勝負」というイメージが強いかもしれません。だから、料理を作る前にはしっかり材料を準備して、いざ調理!と意気込むこともしばしば。

 でも、そんなことを毎回していたら疲れてしまい、「料理を楽しむ」という気持ちになれなくなってしまいます。そうならないためにも、コーティング加工が主流になってきたフライパンを使って「コールドスタート」で調理してみませんか? 簡単に作れて、もっと穏やかな気持ちで料理することを楽しめますよ。

文=JUNKO