正しい「寝だめ」とは? 睡眠は量より「リズム」!

健康・美容

2018/4/2

『「寝たりない」がなくなる本 「効率のいい睡眠」を手に入れる方法』(菅原洋平/三笠書房)

 もう耳タコかもしれないが、「睡眠」は大切だ。「質より量」とも聞くけれど、巷にあふれている「睡眠向上本」は、「それができたら理想だよね……」と思うものばかり。
『「寝たりない」がなくなる本 「効率のいい睡眠」を手に入れる方法』(菅原洋平/三笠書房)は、「睡眠」の正しい知識を得ると共に、現実的に「やってみよう!」と思える内容が満載の一冊だった。

 著者は睡眠改善を提案する会社を経営する「睡眠健康指導士」の菅原洋平さん。菅原さんいわく、睡眠をコントロールする原理は単純で、まとめると大きく2つ。

・ベッドは「睡眠をとる場所」だという記憶を脳につくる
・昼間の体のリズムを整える

 この2つを満たしていくための実践的な方法が、本書では紹介されている。

 例えば、ベッドの上からテレビを観ると、脳は映像を見る視覚野や、言葉を読み取る言語野を働かせる。すると、ベッドはそういった部分を動かす場所だと脳に記憶され、事前に脳が準備をしてしまう。

 その結果、ベッドでテレビを観る、本を読む、スマホをいじる……つまり「寝ること以外」をしてしまうと、「睡眠」だけに脳が集中できなくなり、睡眠の質を低はさせることになるという。

 なので、眠りに関係ないことは極力控えて、脳が睡眠という作業に集中できる最高の環境に、ベッドを整えることが大切なのだ。

 次に、「昼間の身体のリズムを整える」に関しては、本書を通して語られていることなので、個人的に参考になったことを、かいつまんでご紹介しよう。

 まず、「寝だめ」について。

 睡眠とは、「脳が目覚めている時に溜まった睡眠物質を分解すること」なので、「たくさん眠って、短時間睡眠でも疲れないように眠りをストックしておく」ことはできない。

 だが、平日に分解しきれなかった睡眠物質を、休日に「多く寝て」分解することはできる。しかし、その「睡眠負債」を一気に返済してしまうと、「生体リズム」が乱れ、睡眠の質は落ちてしまう。

 そこで正しい「睡眠負債の返済方法」は、「平日と同じ起床時間にいったん起きて、カーテンを開け、部屋を明るくして二度寝をすること」。また、理想的な寝だめは「起床時間を変えずに、少しでも早寝をすること」だそうだ。

 少々話は変わるが、ベッドの上でネガティブなことばかり頭に浮かび、眠りたいのに眠れない……という経験をしたことはないだろうか?

 そういった場合、「耳から上の頭を冷やす」のがいいとか。悩み事をしている時、大脳の温度は高くなっている。温度が上がると、脳は活発に動き出してしまうので、保冷剤や冷凍タオルなどを用いて、物理的に頭をクールダウンするとよい。

 ただ、耳からの下の首の部分は冷やさないように。一層、大脳を覚醒させてしまう危険性がある。

 睡眠は質より量より、「リズム」が大切。

「目覚まし時計をかけても、なかなか起きられない」「足がムズムズして寝付けない」「睡眠薬をやめたい」「いびきがうるさいと言われる」などなど、睡眠に関するお悩み相談のコーナーもあるので、参考にしていただきたいと思う。

文=雨野裾