子どもを賢く育てる「アウトドア育脳」という方法

出産・子育て

2018/4/2

『脳科学者が教える! 子どもを賢く育てるヒント「アウトドア育脳」のすすめ』(瀧 靖之/山と渓谷社)

 難関大学に合格した学生を取材していると、いわゆるガリ勉タイプは少なく、文武両道で、学校行事の運営に積極的に参加し、さまざまなことに取り組んでいる好奇心旺盛なタイプが多いように感じる。

 市場で育脳本が目立つようになった。そんな中で異彩を放つ『脳科学者が教える! 子どもを賢く育てるヒント「アウトドア育脳」のすすめ』(瀧 靖之/山と渓谷社)は、「アウトドア育脳」をうたっている。しかも、「子どもを賢く育てる」とある。外遊びが好きで勉強もできる万能タイプに育てるヒミツが、本書に掲載されているのかもしれない。

 本書によると、「賢い」とは単に「頭の働きがよく、知恵がすぐれていること」ではなく、要領よく立ち回ることができる…つまり、ものごとに対して適切な判断や行動ができることだとしている。確かに、勉強ができる子どもは時間の使い方が上手だったり、要領がよかったりする傾向があるように思う。本書はさらに、賢さは知的好奇心のレベルが高いことも関係している、という。心から「知りたい」「わかりたい」「学びたい」という気持ちがあれば、勉強の効率が飛躍的に高まるのは、大人も同じだ。

 そして、要領のよさと知的好奇心を同時に高められるのが「アウトドア」なのだ。自然の中に入ると、予測しないことが数多く起こる。公園では図鑑で見たあの昆虫がパッと目の前に現れたり、キャンプ場では流れ星が見えたり、山では思いがけない美しい景色が広がったりする。なにより、自然は子どもの興味を引くものごとを無限に内包している。「アウトドア育脳」の大きな魅力の一つは、「ただ自然の中へ親子一緒に行けばいいだけ」というシンプルさを挙げているが、アウトドア育脳の効率をさらに高めるために親ができることはたくさんある。

 例えば、自然公園なら子どもが慣れ親しんでいる図鑑を持ち出す、虫眼鏡を持っていく、などのちょっとした手間で、自然観察の幅を広げることができる。キャンプではテーブルや椅子のセットを任せたり、登山では自分のものは自分で準備させたりすることで、アウトドアを通じて大きな達成感が味わえたり、自己肯定感が育まれたりする。

 春、夏は初心者でもアウトドアがしやすい季節だ。今年のアウトドアの予定を家族で相談してみては?

文=ルートつつみ