「疲労」が突然死につながる!? カラダを守るために今すぐできる習慣とは?
更新日:2018/4/16
「疲れた」は、心身が危険な状態になっているサインだという。疲労は生き死ににさえ関わる重大事なのだ。『毎日のカラダが楽になる 最高の疲労回復法』(杉岡充爾/大和書房)は、疲労の危険性を解説し、疲労を抑える秘訣を紹介した1冊である。著者である医師の杉岡充爾氏は、この20年、働き盛りの人がバッタリ倒れ、「疲労死」で亡くなるケースを多く見てきたという。
突然死(疲労死という病名はない)の直接的原因は心臓発作であるという。疲労が重なってくると、緊張状態が続き、血流もホルモンバランスもどんどん崩れていく。心臓の血管が極度に緊張した状態になり、突然詰まることで起こるのが心臓発作なのだ。
ストレスを受けると、副腎から分泌される「抗ストレスホルモン(コチゾール)」が癒すために活躍してくれる。しかし過度なストレスで「ホルモンタンク」が酷使され続けると、副腎が抗ストレスホルモンをつくれなくなってしまい、ついにはタンクが空になってしまう。これを「副腎疲労」と呼ぶが、これこそが抜けない疲れの正体なのだ。
慢性的な疲労に陥ると、「ナチュラルキラー細胞」という免疫細胞の機能が低下してしまう。すると風邪・感染症・胃潰瘍・心臓発作など原因になる「身体疲労」、うつやアルツハイマーなど脳機能が低下する「脳疲労」が出てくるのだ。
身体や脳の疲労のサインは、肌の炎症に現れるという。肌の炎症に反応する「抗ストレスホルモン」を抑えるために、杉岡氏は、抗炎症作用で血流を助けるフランキンセンス(アロマテラピーで使われるオイル)とココナッツオイルを塗ることをすすめている。肌の毛細血管に必要な、鉄と亜鉛(亜鉛は赤身肉、ほうれん草に多い)をとることも大事だそう。
■ホルモンタンクを消費しないようにするコツ
本書には、日々の暮らしの中でできる、ホルモンタンクを消費しないようにするポイントがまとめられている。
・活性酸素を生み出す有酸素運動ではなく、高負荷の運動を短い時間だけ全力でやる脂肪減少、疲労予防の運動・HIIT(High-Intensity Interval Training)を行う。
・深呼吸や日光を浴びる。
・活性炭入り浄水器を使う(水道水は塩素が入っているので除去のためにホルモンタンクが消費される)。
・エネルギー消化にホルモンタンクを消費してしまうので食べすぎはよくない。鶏胸肉や大豆、無農薬の冷凍ブルーベリー(抗酸化作用が高い)がおすすめ。
■覚えておきたい「脳疲労」を防ぐ方法
さらに、脳機能の低下を防ぐ効果が期待できる、下記のメソッドを実践して「脳疲労」を予防してほしい。
・50分以上の集中はホルモンタンクの使いすぎになるので、単純作業をはさんで脳を休ませる。
・エクストラバージンオリーブオイル、バター、ギーなどの油をとる。
・抗酸化野菜のヒーローである発芽野菜をとる(ブロッコリースプラウトやガーリックスプラウト)。
治療のエキスパートである「ホルモンタンク」を浪費しないようにすることは、生活習慣を見直すだけで簡単にできることばかりだ。疲労を蓄積させず、イキイキと働くために、ぜひ参考にしたい。
文=泉ゆりこ
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