「自分を最優先に」「人に頼る」…いつもの自分が「やらないほう」で人生好転!?

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公開日:2018/4/9

『いつもの自分がやらないほうをやってみる』(鳥居ミコ/サンマーク出版)

 やりたくないけれど、責任を感じて引き受けてしまう。引き寄せ、願望実現なんて自分には無理だと思ってしまう。嫌なことでも我慢して、いつのまにか「いい人」役を買って出る。自信が持てず、仕事や対人関係も、なかなか思うように運ばない。もし思い当たるところがひとつでもあったら、この本を手にとって欲しい。『いつもの自分がやらないほうをやってみる』(鳥居ミコ/サンマーク出版)だ。

 著者の鳥居ミコ氏は、28歳で弁護士を志望、4回目のチャレンジの33歳で司法試験に合格。以後現在にいたるまで弁護士と心理カウンセラーという専門家の立場から、多くの女性の人生や心と真摯に向き合ってきた。才能に恵まれ、順風満帆にみえる著者だが、かつては生きづらさや不自由さに悩む女性のひとりだったという。あるときから「思考のクセ」を今までとは真逆に変え、いつもの自分が「やらないほう」に行動をシフトした結果、仕事や人生が好転、笑顔で生きられるようになったという。

 本書では著者の体験をもとに、思いこみに懲り固まった、思考のクセを手放すための21のエクササイズを紹介、ありのままの自分を取り戻し心地よく豊かに生きるコツを伝えている。

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■うまくいかないときは、まず、思考を変えてみよう。

 マザーテレサも、思考を変えれば言葉が、言葉を変えれば行動が、行動を変えれば習慣が、習慣を変えれば性格が、性格を変えれば運命が変わる、といった内容の名言を残しているが、鳥居氏も“現実は「思考」によって生み出される”と示唆、毎日が思うようにいかず精神的にも苦しいとき、まずやるべきことは“先に思考を変える”ことだとアドバイスする。人生は、自分がどんな感情と思考を抱えているかで創られていくものだから、今までとは真逆なものに「思考」をインストールし直すことが、停滞を打破する道にもなるらしい。

 もし今あなたが、生きづらくて悩んでいるのだとしたら、それは「今までと真逆のことをやってみて」という合図かもしれません。どんな小さなことからでもかまいません。期間限定の「真逆キャンペーン」と銘打って、今までやっていたことと逆のこと、こうでなくてはならないと思っていたことと反対のことを、ぜひやってみてください。

■いつもの自分がやらないほうを、選んでみよう

 では本編で具体的に示されている「いつもの自分がやらないほうをやってみる」21のエクササイズの中から、一例を紹介してみよう。

1 一目散に自分を優先する。
2 「大根ください」のテンションで言いたいことを言う。
3 あえてドタキャンしてみる。
4 嫌いなところをまねてみる。
5 できることをあえて人に頼ってみる。
6 財布を出すのをやめてみる。

 ここからの続きはぜひ実際の本で確かめて欲しい。なかには“電車に乗り込んだら、まっ先に空いている優先席に座る”“約束を当日に理由も何も言わずにドタキャンしてみる”といった、一見ひんしゅくを買うような内容も含まれているが“期間限定のキャンペーン”だと考えれば、ふだんから信用が厚く責任感でがんじがらめになっている人にとっては、突破口となるかもしれないと思う。もしわたしがエクササイズを自分のために追加するなら、SNSでお愛想の「いいね」をしないとか、LINEが既読スルーでも落ち込まないとか、そういったことも加えてみたい。いくつか列挙してゲーム感覚でやってみるのもおもしろい。

■自分の今を、取り戻そう

「いつもの自分がやらないほうをやってみる」といっても、「いつもの自分は何をやりたくて、何をやりたくないのか」をまず知らなければ始まらない。著者曰く、頑張りすぎると感情が麻痺して「実はやりたくないことを、やりたいこと」だと思いこんでしまうこともあるという。自分のほんとうの気持ちに問いかける際、有効なことは深呼吸だそうだ、深々と8秒かけて丁寧に深呼吸をする。交換神経の働きがゆるまっていくことで、今この瞬間の自分に、100%フォーカスできると語る。

 21のエクササイズを終え「こうあるべき」から解放されたあなたは、唯一無二の自分への愛おしさをしみじみと実感するに違いない。

文=佳山桜子