「地頭力=先天的な才能」ではない。いつもの習慣を変えれば、地頭を鍛え直せる!?

ビジネス

2018/4/18

『世界で通用する「地頭力」のつくり方 自分をグローバル化する5+1の習慣』(山中俊之/CCCメディアハウス)

 地頭――。私たちは自分の地頭を良くしようと鍛えることをほとんど諦めている。例えば大学受験シーズンに、それまでまともに授業も聞いていなかったようなクラスメイトの成績が急に伸びる、ということはよくあるだろう。そうすると必ず誰かが言う。「やっぱりアイツは地頭がいいからな」と。

“地頭”という言葉にはどうしても先天的な才能のイメージが付きまとい、後から努力で埋め合わせるのは難しいと考えられがちだ。しかし、近年地頭は“鍛えられるもの”として注目を集め直している。今日紹介する『世界で通用する「地頭力」のつくり方 自分をグローバル化する5+1の習慣』(山中俊之/CCCメディアハウス)では、地頭力を「習慣によって再現可能なレベルの思考や行動」と定義し、グローバル化やAI化の時代を生き残るための6つの習慣を提案している。ここではそのうち、2つの習慣を挙げてみよう。

■地頭力を鍛えるヒント1:「知識」の蓄え方を変える

 インターネットで何でも検索して調べられるようになった現代、「自分の頭の中に知識を持っておく必要はない」という意見がよくみられる。しかし、丸暗記に意味がなくても、物事を考える基礎となる「知識」は絶対に必要だと著者はいう。

 そこで著者が勧める新しい習慣のひとつは、「あるジャンルで異端とされている本を読む習慣」。マスメディアの情報は、大多数の人が受け入れやすいように作られ発信されているため、受け手の考え方は横並びで同じような枠組みの中に収まりやすい。それにとらわれないためには、多様なジャンルの本を読むだけでなく、世間から異端とされている人や、本流ではない立場の人が書いた本を読むことで、自分の中にも新たな視点を作ることが必要だという。

■地頭力を鍛えるヒント2:「オフ」の過ごし方を変える

 働き方改革の推進が叫ばれ、ライフワークバランスを重視する動きが広がってきたとはいえ、まだまだ休みが充実しているという社会人は少ないだろう。今日からいきなり残業時間を減らすことは難しいかもしれないが、短期間でも仕事に生かせる充実した休暇の過ごし方を提案したい。

 本書では、「限られた時間で多くの国を回る」ことを紹介している。社会人になると、口癖のように「旅行に行きたい」といいつつ、実際にはお金に余裕がない、有休が取りづらい、というのが実情だろう。しかし、旅行といっても遠方に行くものばかりではない。著者は、週末の休暇でも、周辺国訪問などに目を向ければ、限られた期間で複数の国を回ることは可能だという。異文化に触れる旅行は、リフレッシュになることはもちろん、取引先との会話や、新しいビジネスのネタにつながることもある。

 本書では、この他に以下の4つの観点から、地頭力を鍛えるための身近な習慣をいくつも紹介している。

・「情報」を変える
・「ワークスタイル」を変える
・「コミュニティ」を変える
・「英語」を変える

 本書のサブタイトルにある「+1の習慣」は、著者がとりわけ危機感を抱いている「英語」のスキルに関する章。社会人として日本語以外の情報源をもつことの大切さや、外国人と交流していく上での留意点などについて語られており、「グローバル化への対応」にも通じる内容だ。本書が提案する6つの新しい習慣をすべて実践するのは難しいかもしれないが、まずひとつでも意識して始めてみると、あなたの生活や仕事に変化が訪れるかもしれない。

 地頭力は鍛えられる。それに地頭力を鍛えると、グローバル化する世界で通用する。諦めてしまう前に、本書を手に取ってヒントを得てほしい。

文=中川 凌