除湿機と加湿機、そもそもどんなしくみ? 身近な家電のすごい技術

暮らし

2018/5/2

 身のまわりにある「便利なモノ」には、もれなくすべてに「便利さの理由」があるが、我々はそれにほとんど気づかぬまま、毎日を過ごしている。この春刊行された『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(KADOKAWA)は、ふだんよく使う「モノ」について、それに関する“すごい技術”を図解で紹介する一冊だ。


 今回の記事では、これからの季節に大活躍することになる「除湿機」と、その逆の作用を得るための「加湿機」の2つの人気家電について、そもそもこれらはどういうしくみなのか、図版を交えてわかりやすく説明しよう。

■夏に重宝する除湿機と、冬に必要な加湿機

 密閉性の高い現代の住環境では「除湿機」が大活躍する。使ってみると、実によく水がたまるのだが、そもそもどうやって空気から水を取り出すのだろうか。

 家庭用に市販されている除湿機には2種類ある。「コンプレッサー方式」と「デシカント方式」だ。また、これらを組み合わせた方式もある。

イラスト:小林哲也

 コンプレッサー方式の除湿機はエアコンの冷房機能と同じしくみで、エアコンの室内機と室外機をコンパクトにまとめた構造になっている。空気を冷やすと結露するが、その結露を取り出し排出することで除湿するのだ。実際、エアコンも、冷房時にはしっかり除湿してくれるのは周知のことだ。

 デシカント方式の「デシカント(desiccant)」とは「乾燥剤」の意味で、この方式には実際に乾燥剤が利用されている。乾燥剤で吸い取った空気中の水分はヒーターで熱せられて乾燥剤から離れるが、熱交換機で室温まで冷やされ、結露・排出される。

 両者とも一長一短がある。コンプレッサー方式は除湿能力が高く大部屋にも使えるが、冷却が基本原理なので低温時には能力が落ちる。デシカント方式はシンプルな構造のため軽量・静音で、乾燥材を利用するので冬にも強い。だが、電気代がかかる。

 これらの構造からもわかるように、両者の方式とも、利用すると室温を高めることになる。特にデシカント方式はヒーターを利用するため部屋を暑くする。冬はいいが、夏は困る。夏場の除湿には、エアコンが最適なのである。

 一方、除湿機の反対の動作をするのが「加湿機」。冬場にエアコンで暖房すると空気がカラカラになるので、備えておくと風邪対策に効果的である。この加湿機の方式は次の図で示す3つが代表的。かつては超音波式が人気だったが、この方式で作られる水の粒子が粗いということで、近年はスチーム式や気化式が人気だ。こうすることで、室温を下げずに除湿できるのである。

イラスト:小林哲也

『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』
涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA

コドモもオトナもタメになる「モノのしくみ」の話――身近にある「便利なモノ」には、それぞれに「便利さの理由」があるが、我々自身、それをよく知らぬままに日々生活している。本書は、家電からハイテク機器、文房具まで、日ごろよく目にしているモノを下支えする“すごい技術”を、イラスト図版とともに解説する一冊!