人は見ためじゃない…ことはない! 見ためを意識してイメージアップする方法

暮らし

公開日:2018/4/26

『「なるほど! 」とわかる マンガ 見ための心理学』(西東社)

 心理学本の第一人者で精神科医のゆうきゆう先生が監修するロングセラー「なるほど!とわかる心理学」シリーズ第6弾『「なるほど! 」とわかる マンガ 見ための心理学』(西東社)。本書では、ファッション、顔、しぐさなど、「見ため」が心に及ぼす影響を4コママンガやイラストを用いてわかりやすく解説している。

「あの人はなんだか優しそう」「まじめそうでいい人っぽいな」など、人のことを見ためだけで判断した経験はないだろうか? 人は無意識のうちに見ためだけで、相手の印象や心情を察している。人は見ためじゃないとはいうけれど、やっぱり見ためは大事。しかし、見ための良さというのは、決して顔のつくりだけで決まるわけではないと、著者のゆうきゆう先生は言う。見ためというのは全体的な雰囲気であって、表情やしぐさ、化粧、服装、姿勢などを変えるだけでも、その印象は大きく変わる。努力次第で自分の印象は変えることができるのだ。本書では見ためと評価にまつわる心のからくりについて、具体的に例をあげて紹介している。

■赤は女性を魅力的に見せる

 男性に魅力的に思われたいなら、女性は赤色のものを身につけるといい。アメリカの心理学者エリオットとニエスタの実験により、男性は赤い色を見ると、女性を魅力的に感じやすいことがわかっている。そして、赤が女性を魅力的に見せることは生物学的根拠もあり、チンパンジーなど霊長類のメスは排卵期が近づくと体の一部の赤みが増す。その赤色にオスは引き付けられるわけだが、これに似た反応が人間の男性にも推測されているのだ。赤色は男性の本能に訴えかける色、赤色を身につけることで「私はセクシーな女性だ」と見せるのだ。

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■男性は清潔感が命!

 男性が女性に魅力的に見せたいときは、清潔感のある身なりがポイントになってくる。アメリカの心理学者デヴィッド・シュミットが55か国の人を対象に行った調査で男性にくらべ女性のほうが神経質だと判明した。女性は清潔感のない男性に生理的嫌悪感を抱きやすく、男性が思う以上に清潔感のなさに敏感に反応する傾向があるのだ。髪は整っているか、口臭や体臭がきつくなっていないか、身だしなみを整えておくことが女性から好感を得るための大前提である。

■第一印象が重要なわけ

 第一印象が大事と、よく言われているのはなぜか? それは第一印象がその後の評価を大きく左右してしまうことがわかっているからだ。人は最初に受けた印象に強く影響されやすく、最初にマイナスイメージを持たれてしまうと、あとから挽回しようとしても少々厳しいものになるという。これを社会心理学で「初頭効果」といい、最初の情報が肝心で、人のうわさなど会う前に得た情報も含まれる。第一印象を良くするために、身だしなみや表情、姿勢やしぐさなどを意識して気をつけたい。表情に関しては、笑顔が基本だ。人は笑顔を見せてくれる相手には、思わず親近感や好感を抱きやすい。アメリカの心理学者ストロングらの実験で「口を閉じ、表情を静止させた写真」と「いまにも動き出そうな表情の写真」では後者のほうがあたたかく社交的な印象を持たれる結果が出ている。

「人は見ためが大事」と大きな声で言うとひんしゅくを買ってしまうかもしれないが、見ためを意識して印象よく見せることは悪いことではない。自分が伝えたい気持ちを見ためで伝えることができれば、コミュニケーションだってより円滑になるだろう。見ために関する心理学は知っておいて損はない。本記事で紹介したものはほんの一部、ぜひとも本書を手にとって見ためを武器にしてほしい。

文=なつめ