新しい環境、早く周囲と打ち解けたいなら……知っている人だけが得をする役立つ心理学

暮らし

2018/4/26

『誰にも知られたくない大人の心理図鑑』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)

「心理学なんて知ったところで、実生活に役立たないでしょ?」と思っている方にこそ、ぜひ読んでほしい『誰にも知られたくない大人の心理図鑑』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)。

 心理学を学べば――つまり、人の「こころ」を深く知ることができれば、人間関係で悩むことも少なくなり、自分自身の「怒り」や「悲しみ」をコントロールすることもできるようになるという。

 本書によれば、心理学を活用すると……

自分のことを深く知ることができる
他人との関係をより良いものにできる
世の中を新たな視点で見ることができる

 ……役に立たないどころか、私たちの生活に密着し、より豊かな人生を送るために必要な知識がたくさん詰まっている学問なのだ。

 本書は実に多くの「役立つ心理学」が載っているので、いくつかピックアップしてみよう!

■大切な資格・社内試験を控えているなら……

 ある課題に対して、より記憶に残しておきたいことがあるのなら、「やりきる」のではなく、「中途半端で終了させる」といいそうだ。「完了していない課題は終わった課題に比べて思い出しやすい」というのが「ツァイガルニク効果」。「途中で中断されると、記憶に残る」のだという。

 課題は完了してしまうと、達成感と解放感で緊張がほぐれ、内容を忘れてしまう。緊張感を持続させるために、ある事柄を強く記憶に残したい時は、敢えて「きりのいいところ」ではなく、「気になるところ」で中断した方がよいようだ。

■他人の本音を引き出したいなら……

 例えば、社内で上司のミスが発覚したとき、第三者がその渦中にいた人物に「あの件について、あなたはどう思いますか?」と質問してしまうと、相手は、本当は不満に感じていても「まぁ、そういうこともあるんじゃないですか」など、言葉を濁らして本音を言ってくれない場合もある。

 その際、「他者の存在を借りる」といい。

「あの件について、あなたの周囲の人はどのように言っていましたか?」や「社内での評判をいかがでしたか」など尋ねれば、「周りの人たちの中には、怒りを感じている方も多かったですね。あのミスは上司としてあり得ないだろうって……」と、自分もそう思っている一人なのだが、「他者の存在を借りる」ことで本音を引き出すことができるのだ。

■新しい職場! 早く周囲と打ち解けたいなら……

 新しい環境で、できる限り早く周囲にとけこみたいけれど、相手のこともよく知らないし、何を話していいか分からない……そういう場合、「自分が不得手だと思うことをスムーズにこなしている人を見つけて、コツを聞いてみるのが手っ取り早い」という。

 人は自分を頼ってくれる人に親近感を抱き、また、特別な感情を持つことさえある。

 深刻すぎない「相談」が、人間関係を円滑にするのだ。

 さて、本書ではこういった「使える心理知識」の他に、心理学をかじったことのある人なら耳にしたことがあるだろう「フロイトが提唱した3つの精神機能、エス・自我・超自我」についてや、「そもそも『性格』はどうやって決まるのか」など、単なる「知識」としてだけではない、教科書的な内容も含まれている。

「実生活に役立つ」ことで心理学に興味を持った方は、学問としての心理学に触れる、いい機会にもなるのではないだろうか。

文=雨野裾