未経験から年収800万円に!フリーライターの“稼げる”実践法

ビジネス

2018/4/27

『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』(肥沼和之/実務教育出版)

 いまライターを名乗るのは簡単だ。基本的なライティングの方法も、ライターになれる方法もインターネット上でほぼ全ての情報を得られる。未経験者OKのライティング案件もある。だが名乗ったとして、なれたとして、果たして稼ぎ続けていけるだろうか?

 ライターを志す人、そして既にライターとしてのキャリアがある人にぜひ読んでほしいのが『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』(肥沼和之/実務教育出版)。

 著者が会社員時代に300万円だった年収を、数年で800万円にした実践法が書かれている。

■数年で年収を800万円にしたフリーライター

 本書には未経験からでも稼ぐライターに必ずなれる、と書かれており、根拠として著者の肥沼和之氏はこう述べている。

「僕みたいな奴にできたのだから、あなたにも必ずできる」

 肥沼氏の肩書はジャーナリスト、ライター。周囲と馴染めず高校は中退。大検をとって入った大学も辞めた。フリーターをしながら小説家を目指していたものの24歳で断念。出版社や編集プロダクションに就職しようとしたがうまくいかない。27歳で求人広告代理店にようやく入社したものの、ここでも組織に馴染めなかった。2年もももたず、リーマンショックの影響で退職…。とネガティブな経歴が続くが、ここで広告を書いてきた経験を活かしてフリーライターになる。すると数年後には年収が倍以上に。

 いま彼は新宿ゴールデン街で、ライターたちが集うバー「月に吠える」のマスターもしている。さらに編集プロダクション「株式会社月に吠える」の経営者でもあり、若手ライターの育成も行う。そして群馬県前橋市に、本をコンセプトにしたカフェバー「月に開く」もオープンする予定だ。

■積極性と主体性で稼ぐライターになる

 肥沼氏はいかにして稼げるライターになったか。ポイントをいくつかあげてみる。ここで共通するのは、積極性と主体性である。

・実績ゼロからでも仕事を増やすことができた
 まず実績ゼロの中、普通の人にインタビューした記事をブログで発信した。半生をインタビューし、肥沼氏の胸に響いたエピソードを深掘りした内容だ。のちに介護業界専門誌の仕事に応募したときのこと。肥沼氏がブログのURLを送ると専門誌側から、ブログのような記事を書いてほしいと依頼があった。この記名記事の連載によって、売り込みをして採用される確率が高まったという。

・繋がりたい人と繋がった
 肥沼氏はブログの手本にしていたライター上原隆氏のメールアドレスをみつけるや、すぐに連絡し実際に会いに行った。またファンだったライターの北尾トロ氏が出るワークショップに参加。名刺交換を行い、北尾氏の創刊した雑誌に企画を出すようになった。子供の頃は引っ込み思案で、周囲や組織に馴染めなかった肥沼氏だが、好きなものへのアプローチは積極的だ。その結果師匠と巡り会うことができ、ライティングや企画のクオリティを高めることもできた。仕事の量も増えたという。誰とでも名刺交換をすればいいわけではない。繋がりたい人と繋がる力がライターには重要なのだ。

・安い仕事も受けた。
 ライター募集と検索すれば、数えきれない案件がヒットする。中には原稿料が安い仕事もごろごろある。搾取されるべきではないと肥沼氏は言いつつも、とっかかりとしてはアリだという。彼自身も400字で300円という仕事を、二つ返事で受けた。割に合わない仕事だったが、実績がついたのちにその体験をもとにした企画をつくった。これは生活全般で出会う事象は、積極的にネタにするというライターの精神だ。

■ライターは野生動物たれ。

 簡単にライターとなっても、稼ぐにはどうするべきか。本書には文章上達法、売り込み方法、企画のつくり方、成功率9割超えの取材交渉術とインタビューの極意など、稼げるライティングのノウハウも書かれてはいる。しかし重要なのは肥沼氏のように主体的、積極的に行動することだ。しかも泥臭く。フリーランスならずとも当たり前のようだが、自省をこめて書くとこれが中々続けられない…。

 本書の言葉を借りればライターは“野生動物”にならなくてはならない。野生動物は自分で獲物を探し、狩りをしないと飢え死にしてしまう。この野生動物のサバイバル力は、フリーライターに必須な主体性、積極性に通じる。主体的、積極的に繋がりたい人に会い、企画を考え、提案し、そして書くこと。これを続けた肥沼氏は消極的で人づきあいがうまくなかったはずが、いつしかライターたちが集まるバーや、ライターも育てる会社さえつくった。

 これからライターを目指すなら間違いなくためになる。そして現役ライターなら「もっとやらないと!」とやる気が出てくる1冊だ。

文=古林恭