じんわり腰痛が改善&ウエストー5cmに!? 姿勢のプロが教える魔法のストレッチ

健康・美容

更新日:2021/2/8

『腰痛がきえるWストレッチ』(野口早苗/飛鳥新社)

 潜在患者を含めると日本人の4分の1、3000万人が抱えていると言われる「腰痛」。ぎっくり腰ほど強烈ではないが、日々、なんとなく気になる「じんわり腰痛」に悩んでいる女性も多いのではないだろうか。そんな方におすすめしたいのが『腰痛がきえるWストレッチ』(飛鳥新社)だ。

 著者は、正しい立ち方、歩き方、座り方を指導する姿勢のプロ、姿勢調律士として活躍する野口早苗氏。ニューヨークを舞台にプロダンサーとして活動していた彼女が、「ダンスどころか動くこともできない」ほどの激しい腰痛を経験。それをきっかけに編み出した「オリジナルの腰痛軽減メソッド」を初めて公開する1冊だ。

 ポイントになるのは「背中をリセットする」こと。

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「本当?」と思う方もいるかもしれない。本稿では、背中をリセットすると腰痛が楽になる理由の一端と、背中をリセットするためのストレッチ法の一部を紹介していく。

■腰痛を解消するために行うのは5つの簡単なストレッチ!

 どうすれば背中の状態をリセットすることができるのか?

 その答えは簡単だ。背中をリセットするために、本書が展開するストレッチは、以下の5つ。

・Wストレッチ
・壁ドン・エクササイズ
・ハイハイ・エクササイズ
・背中スクワット
・お尻上げエクササイズ

 例えば書名にもなっているWストレッチの場合、やり方は以下のとおり。

1.両手をまっすぐに上げる

2.手のひらを背中側へ回す

3.脇をしめて、肩甲骨を中央に寄せる

 いつでも、どこでも、誰にでも簡単にできるストレッチだが、実際にやってみると背中の筋肉が軽くほぐされ、楽になっていることを実感できる。また、自然と背筋が伸び、背中がまっすぐに伸びた正しい姿勢になっていることもわかる。実は、それこそは腰痛改善の秘訣だという。

 種目のいくつかには「応用編」も用意されているが、それらも比較的簡単に取り組むことができるもの。写真も大きめで動き方もわかりやすく、ポイントもしっかり解説されているので、正しい方法で実施することができるだろう。

「姿勢がきれいになった、とほめられた」
「同僚から、前よりも若くみえる、と言われた」
「おなかやお尻がスリムになった」

 などなど、実際にこのストレッチを実施した方々から、女性にうれしい効果も報告されているのも見逃せないところだ。男性のケースでもたった半年でウエストがマイナス12cmになった人もいるとか。著者によると「ウエストを5cmくらい細くするのはすぐ実現できる」のだそう。

■腰が痛くなるのは背中の支える力が弱っているから

 そもそも、腰が痛くなる根本的な原因は、人が二足直立歩行を始めたこと。4本の脚で身体の重さを支えている他の動物とは異なり、2本の脚で立つことにより、数10kgという頭と上半身の重さがもろに腰にかかるようになったからだ。

 その重さを支えるために大きな役割を果たしているのが、背筋、脊柱起立筋、大腰筋などの背中の筋肉や骨だ。そして、背中の筋力、イコール「背中の支える力」が落ちてくれば、そのしわ寄せが腰にいって腰痛になり、逆に、「背中の支える力」が向上すると、腰にかかる負担が減り、腰が楽になるというのが、本書が展開する腰痛のメカニズムだ。

 もともと農耕民族である日本人は、欧米人と比べて、背中の筋力が弱いと言われており、肩こりや腰痛で悩む人の数も、一般的に日本人のほうが欧米人よりも多い。だから、われわれ日本人は、永遠に腰痛に悩まされなければならないのか?というと、それは違っている。本書が唱える5つのストレッチを行うことによって、腰痛を解消したり、未然に防ぐことが可能になる。

 動いたり、歩いたりするのに支障がある。そんな重い腰痛ではなくとも、「なんとなく重い」「少し違和感がある」など、腰の不調を感じている女性は多いもの。そんな「じんわり腰痛」が簡単なストレッチやエクササイズでよくなるのなら、それを見逃す手はないはず! 気軽な腰痛解消メソッドとして取り組んでもらいたい。

文=井上淳