シンプルなのにオシャレ! フランス流「風通しのいい」毎日をおくるコツ

暮らし

公開日:2018/4/28

『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』(中島たい子/ポプラ社)

 フランス人の、特に女性のライフスタイルを紹介する書籍やメディア媒体をよく見かける。シンプルだけれどなんだかオシャレ。映画の登場人物も、髪は無造作にまとめただけで、服もカバンも高価なものではないのに、そこはかとなくオシャレだ。

 そんな生き方に憧れ、お手本にしたいと思っている方にオススメしたいのが『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』(中島たい子/ポプラ社)。40代にしてフランス人の叔母さんの焼くパンの美味しさに気づいたことをきっかけに、フランスに“目覚めた”著者の中島たい子さんが、そのシンプルでオシャレなスタイルを存分に語る。

■ロズリーヌの四角いバゲット

それはレンガのような形の四角いパンで、トーストするとバゲットのようにパリッとした食感になり、その香ばしさは、日向の匂いや、野草、木の実などを思わせる。(P21より)

 これこそが、著者をフランスに目覚めさせたパン。叔母にあたるロズリーヌの手作りパンで、「本当にちょっとした時間」で作れるパンだそう。小麦粉はオーガニックのものを使っている。同じものを日本で手に入れるのは難しいが、大切なのは「美味しい」こと。著者は、日本で美味しい小麦粉を見つけて、ロズリーヌのバゲットをせっせと焼いている。

advertisement
レシピも収録されているので、実際につくってみることも!

■クローゼットの中は人それぞれ?

ワインカラーのパンツに上はライトブルーのインナーを着て、グレーのゆったりしたカーディガンをはおり、目が覚めるような山吹色の長いスカーフを巻いていた。全て無地で、驚くような色の取り合わせでも派手に見えず、むしろ清々しい。(P133より)

 これは、ロズリーヌの長女で、現在二児の母でもあるソフィーのコーディネート。著者は、ソフィーの決して派手ではないが、色遣いと着回しにいつも目がひかれるそう。ロズリーヌも、年季の入ったサングラスを使い続けている。一方、ファストファッションがあるくらいだから、クローゼットの中は“パンパン”というフランス人がいるのも事実のよう。人それぞれだけど、「自分が好きなものを選ぶ」ことにかわりはない。

 淡々とした語り口ながら、ロズリーヌの飾らないシンプルなライフスタイルを魅力的に描写した本書。読めばきっと、そのスタイルを取り入れてみたくなる。詳しいレシピも収録されているので、休日にはシンプルかつオシャレなフランスの風を感じてみては?

文=松澤友子