会社帰りにジム通いはNG!? その習慣、実は健康に悪影響かも

健康・美容

公開日:2018/5/4

『かんたん毒だし健康法』(蓮村 誠:監修/洋泉社)

 健康のために良かれと思ってやってきたことが、実はなんの効果もなく、健康を害していることがある。『かんたん毒だし健康法』(蓮村 誠:監修/洋泉社)では悪影響を及ぼす習慣とともに、インドの伝統医学マハリシ・アーユルヴェーダで心も体もスッキリする健康法をわかりやすく紹介している。

 アーユルヴェーダとはサンスクリット語で「生命の科学」を意味し、病気になる前に予防し、発病の可能性をなくしていくという医学だ。アーユルヴェーダでは体内にたまってしまった毒素を「アーマ」と呼び、この毒素を排出して、たまらない身体をつくっていくことがポイントになっている。毒素をたまりにくくする身体は、毎日の食事や生活習慣でつくっていくことができるのだが、その方法を誤解している人も少なくないと著者はいう。

 たとえば、朝食はしっかり食べる。朝食は1日の原動力だというが、しっかり食べる必要はないのだ。できれば朝食は軽めにすませて、昼食はしっかり食べ、夕食は昼食より軽めに食べるようにしたい。消化力や代謝力がいちばん上がるのは昼時で、朝食をしっかり食べると身体に負担がかかってしまう。朝食には身体を温める効果の高い、味噌汁やスープなどの汁物を食べたい。

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 そのほかにも、ダイエットや健康のため、会社帰りにジム通い、週末にがんばってジョギングなどの運動習慣。運動するのだから身体に良さそうだが、実はこれも逆効果だという。夜の運動や激しい運動は消化力を弱めるので、身体に毒素がたまりやすくなり、結果として太りやすい身体をつくってしまう。運動するときは身体に負担をかけすぎないように、疲れない程度の運動を、日中、毎日行うことがポイントになる。運動には適切なやり方と内容があり、それを知らないと健康を害することにつながることを知っておきたい。

 綺麗と健康を作るための知恵がアーユルヴェーダにはたくさん詰まっているのだが、それを日常に取り入れるのは決して難しいことではない。本書では体内をスッキリ綺麗にする理想的な飲み物として、白湯をオススメしている。温かな白湯は内臓を温め、消化力を高めて、代謝力をアップさせる。そのため、たまった毒を洗い流すデトックス効果が期待できるのだ。そんな白湯はつくるのも簡単で、綺麗な水をやかんで15分ほど沸騰させるだけでできる。日常にも簡単に取り入れられるのが、嬉しいところだ。ちなみに、1日に白湯を飲む目安はコップ5~6杯。食前と食後に飲むと食事の消化を助け、体内に毒素がたまるのを防いでくれるので効果的だという。シンプルで毒出しドリンクとして優秀な白湯だが、飲みすぎると栄養まで流れ、体が弱まってしまうので飲みすぎには注意したい。

 また、簡単に取り入れられるアーユルヴェーダとして、本書では舌のお掃除も紹介されている。アーユルヴェーダでは、毒素がたまっていると舌の様子が変わるとされている。朝起きたときに口の中にネバネバした舌苔がこびりついていたら、それは毒素がたまっている証拠。舌を綺麗に保つことが、健康につながるとされているのだ。舌を掃除するときは舌磨き専用のタングスクリーナーがあればいいのだが、なければスプーンの背を舌にあててそぐように汚れを落とす。強くこすると舌にある器官を傷つけてしまうのでやさしく。歯ブラシでゴシゴシとこするのはNGだ。

 身体がもつ本来の力を高めていくために、アーユルヴェータは日常に簡単に取り入れられる。本書では個々人に合った、おうちで簡単にできるアーユルヴェーダがわかりやすく紹介されている。まずは意識することからはじめて、心と身体をスッキリさせよう。

文=なつめ