堀江貴文×落合陽一がAI時代に送る“君たちはどう生きるか”

ビジネス

2018/5/3

『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文・落合陽一/SBクリエイティブ)

 AIが人間の仕事を奪う――。連日世間を賑わせる“AIブーム”が留まることを知らない。書店のビジネス書コーナーを覗いてみれば、表紙には“AI”の文字がズラリと並び、そこには“10年後になくなる仕事リスト”が載っている。ネットニュースでは、メガバンクの採用減が盛んに報じられている。馴染みの小売店がいつの間にかセルフレジを導入していた…なんてことも珍しくなくなってきた。

 現在“なくなる仕事リスト”にある職業に就いている人は、「これから自分たちは生活できなくなるんじゃないか」と不安を抱えているかもしれない。しかし、本書『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文・落合陽一/SBクリエイティブ)にて、著者のひとりである堀江貴文氏は、「AIに仕事を奪われてもなんら問題はない」と断言する。機械に人間の仕事が代替されるということは、それだけ自由な時間が増え、無理に働く必要がなくなる。肝心なのは、その“浮いた時間”で何をするかなのだという。

 現代は、好きなことでお金が稼げる時代であり、“遊びのプロ”になることが生き残る道だ、というのが氏の主張である。変化し続ける未来を恐れずに、自分の好きなことに没頭し、その分野で代替不可能な価値を手に入れる。そしてそれらをいくつか組み合わせることで、100万人にひとりの人間を目指すべきだという。堀江氏自身も、さまざまな事業を手掛けているが、本人にとってこれは全て“趣味”なのだ。

 もうひとりの著者・落合陽一氏は、こうした“他人と違うことをする”考え方だけに留まらず、ときには機械に身をゆだねることも大切だという。例えば、「Uber」というサービスは、時間の空いている運転手と、交通手段を求める顧客をマッチングしてくれる。そのお蔭で、Uberで働く運転手たちは、客探しや支払いをシステムに任せながら、空き時間に効率よく稼ぐことができる。これが、機械に身をゆだねる(=プラットフォームに責任と生存戦略を移譲する)生き方だ。落合氏は、この2つの考え方は、どちらが良い/悪いというものではなく、個々の能力やライフスタイルに合わせて使い分けていくものなのだと述べている。

 本書は、堀江氏と落合氏の対談をもとに編集されている。そのため、「働く」を中心に、「お金」や「幸福」などのさまざまな分野の“未来”について、両氏の意見が入り混じる刺激的な構成になっている。10年後、どんな仕事がなくなるのかはわからない。それでも、ふたりの語る未来には、なんだかワクワクしてしまうのだ。

文=中川 凌