魔法の0円リフォーム! 暮らしとココロが整う、片づけルール「だ・わ・へ・し」

暮らし

更新日:2018/5/7

『「引き出し1つ」から始まる!人生を救う片づけ』(井田典子/主婦と生活社)

「人生って思い通りにいかないなぁ~」と、今の生活に何かモヤモヤしているのなら、“片づけ”のチャンスだ。仕事や人間関係でも、子育て、お金、健康…etc. 頭の中がぐちゃぐちゃで、そんな気分になれないかもしれないが、小さなスペース、たとえば、“引き出し1つ”からでも、ぜひ試してみてほしい。

「子育ては人間が相手。当然、思い通りにはいかない。けれども、家事や時間やお金の使い方は自分の思うようにコントロールが可能だということに気づき、そこに救いを求める気持ちがあったと思う」と、『「引き出し1つ」から始まる!人生を救う片づけ』(井田典子/主婦と生活社)で語る著者。目に見えるモノを片づけていると、次第に目に見えない心が整っていき、自分の考えや気持ちが変わることで、お子さんへの言葉がけも少しずつ変わっていったそうだ。

 そんな著者が、片づけについて思うこと、自宅で実践していることを、所属する婦人団体・相模友の会(婦人之友読者の会)等で発信していくうちに、行政が主催する講演会に呼ばれたり、口コミで知人宅の片づけをしたりするように。主婦ならではの実践的な整理・収納術が好評となり、全国各地で講演会を行ったり、NHK総合テレビの情報番組『あさイチ』では、“片づけの達人”“スーパー主婦”と呼ばれたりと、整理収納アドバイザーとして活躍している。

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 片づけの考え方を中心に、家事の考え方や著者の日々の暮らし方などが、本書でつづられている。そこで、その内容を一部まとめて紹介したい。

■まずは「引き出し1つ」から!

 何といっても、やはり「まずは手をつける」ことが肝心だ。「家じゅうを!!」と意気込むと疲れてしまうが、「引き出し1つ」なら、今すぐにでも始められる。それを繰り返すうちに、気づけば家全体がきれいになっているだろう。

 最初はキッチンまわりがオススメ。そこにあるモノは用途がはっきりしていて、片づけがしやすい。毎日何度も使う場所だからこそ、とくにきれいになった時の達成感が大きいようだ。また、細かいモノが溢れがちな洗面所まわりからのスタートでもOK! 昨日より今日の使い勝手が良くなったという充実感が得られると同時に、暮らしは、自分の手でカスタマイズ、バージョンアップもできるとわかれば、次のやる気が湧いてくる。この好循環の波に乗れれば、もう気持ちは少しラクになっているはずだ。

■片づけのルール“だ・わ・へ・し”!上手な整理整頓とは?

 すべての片づけの基本となる考え方。次の4つのルールを順に行えば、誰でも上手に整理整頓できる。

(1)【「だ」出す】中のものを全部取り出す
(2)【「わ」分ける】種類別にして仕分ける
(3)【「へ」減らす】レギュラーを選んで適量に減らす
(4)【「し」しまう】枠を決めて収納する

 また、効果的な片づけのポイントは次の5つ。ちょっとしたルールで、家の快適さはかなり違ってくる。

(1)中途半端な敷物を増やさない(床を広く出す)
(2)(入り口から見た)正面の壁面は、目線より上をできるだけつぶさない(抜け感を出す)
(3)テーブル、カウンターなどは平らにリセットする(面を出す)
(4)本棚などは(部屋の)入り口の側面か背面に置く(色を抑える)
(5)飾りたいコーナーは部屋の1ヵ所にする(厳選して楽しむ)

 それでも、忙しかったり、疲れていたりすると、誰でも片づける余裕がない時も。そこで、「乱れない家」ではなく、目指すべきは「乱れてもリセットできる家」。それには、モノを徹底して選別、数をしぼる。1つ1つに置き場を決めて、乱れても「どこだっけ?」と、悩むわずらわしさを減らし、「ムリなく持続可能なシステム」にしていくのだ。

 ちなみに、片づけというと、つい収納グッズを買いたくなるが、「何も買わないで」と注意を促す著者。経験上、どんな家であっても、“モノを精査すれば必ず収納はあまる”そうだ。収まらないモノは、暮らしの容量よりオーバーしている可能性が高い。お金をかけなくても快適な空間が手に入り、幸せになる。片づけとは“魔法の0円リフォーム”なのだ。

 詳しくは本書をぜひチェックしてほしい。暮らしのプロ、主婦ならではの発想から生まれた、さまざまなアイデアがここに詰まっている。

文=Sachiko