見た目だけでなく、生き方からキレイになる! 美のカリスマ・神崎恵の「わたしを幸せにする」極意
公開日:2018/5/4
神崎恵という名をはじめて認識したのはご多分に漏れず『読むだけで思わず二度見される美人になれる』(KADOKAWA)なのだが、読んだときまず感じたことが「美とはたゆまぬ努力と知識の積み重ね、試行錯誤の結晶である」ということ。
元来怠けものだから“〇〇だけすればいい”というお手軽文句に釣られやすいが、美が一朝一夕に成るはずがない。見た目はゆるふわ美人だけれど芯は誰より強い人にちがいないとひそかに敬服していた。
そんな彼女がこのたび、美容ではなく生き方に関する初エッセイ『わたしを幸せにする41のルール』(廣済堂出版)を上梓したと聞いて、さっそく読んでみた。思ったとおり、名言の宝庫だった。
■生きるために身につけた“ママ美容”という武器
まずはっとさせられたのが〈女は生きるうえで絶対に、自分がこうしたいと思えたとき、それを選択できる力を備えておくべきだと思います〉。29歳で息子ふたりを持つシングルマザーになった神崎さんは、「お金がなければ人は選択の自由をもてない」現実を痛感する。とはいえ「人生をやり直すからには、心惹かれることを仕事にしたい」というのも本音。
そこで、ママ雑誌の読者モデルに応募するのだが、神崎さんがすごいのは、美容業界の現状を分析したうえで、まだ誰も手を出していないジャンルを見つけ出したこと。それが“ママ美容”だ。シングルマザーの自分だからこそ提供できる情報があるはずだと、ときに保険の解約などリスクを背負って美容に投資。その結果いまの地位を築き上げたのである。
現実を言い訳に夢をあきらめず、努力を重ねたことが選択する力になると実証した神崎さん。〈生きてきたなかで積み重ね濃くしてきた経験や知恵。これこそが大人の最大の武器〉という言葉も、沁みる。
■人と違うことをおそれず、自分らしさを自覚的につくる
“自分”を持っている女性は魅力的。そんなことはわかっているが、“らしさ”なんて自分では気づかないもの。そこで神崎さんが始めたのは“ターコイズブルー”と“ツヤ肌”、それに“ゆる巻き髪”を積極的にアピールすること。自分の好きなものを自覚的に身にそなえていくことによって、他人の印象にも浸透する。けっきょく、自分を幸せにしてくれるのは自分だけ。無責任な批判や世間一般の“こうあるべき”は、なんの役にも立たないのだから耳を貸さなくていい。それは「ひとりで生きていこう」「自分の人生には自分で責任をとろう」と腹をくくれたから、得られた強さだ。
さらに神崎さんは言う。〈自信は自分で育てるもの〉。そのための武器はやっぱり、神崎さんにとって美容であり、多くの女性にとっても同様だと思うからこそ「伝えたい」と願っているのである。
■キレイは生きる力とつながっている
〈キレイは生きる力とつながっていて、その生きる楽しさは、キレイへもつながっているのだなと実感します〉と神崎さんは言う。美は目的ではなく、心地よく自信をもって生きるための手段なのだ。ただ残念ながら、身体はお手入れしなければ年とともに老いていく。食べれば太るし、ケアを怠れば肌は荒れる。自分に似合うメイクを知らなければ、“らしさ”も手に入れられない。そうして自信を喪失していけば、他人をうらやみ、心が薄暗くなっていく。それがいやなら、どうすれば今を改善できるか考えて、行動するのみである。
〈幸せそうな肌や顔になることで、心まで幸せになってくるから面白い〉という神崎さん。実践と実証を重ねているから、彼女の美容法は支持されているのかもしれない。
■見苦しいひとにならないために
神崎さんにはいつもゆったりした空気が漂っている。ゆる巻き髪とメイクがその印象を際立たせていることは間違いないが(これがらしさの演出なのだろう)、神崎さんが“抜け感”を大事にしていることも理由のひとつ。〈年を重ねるほどに美容が必要になってくるとはいえ、いい距離を保てないと、とたんに苦しいひとに見えてしまう〉〈「他のひとよりなにより自分が好きなひと」に見えてしまう〉という言葉にはギクリ。
本書では「完璧を求めすぎない」という神崎さんの、1日のスケジュールや抜け美容もご紹介。好きだから、熱意があるからといって、前のめりになりすぎない。余裕をもつということは、美容にも毎日の姿勢にも大切なこと。なるほど、やはりキレイと生き方は直結しているのである。
1975年生まれの神崎さん。41のルールは、生きてきたぶんだけ見つけた、彼女の武器なのだろう。美容テクニックだけでなく、そのしなやかな強さも学んでいきたい。
文=立花もも
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