夫婦間のおカネのもめごとは見せない! 子どもが一生お金に困らないために親が伝えるべきこと

出産・子育て

公開日:2018/5/11

『「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」』(ベス・コブリナー:著、関 美和:翻訳/日経BP社)

「うちの子は、将来ちゃんとやっていけるだろうか」と、多くの親御さんたちが心配した経験があることでしょう。成長するにつれて勉強や生活面などさまざまな心配が出てきますが、なかでも厄介なのが「お金の使い方」。自己責任の世の中になりつつある現在だからこそ、子どもにお金のスキルを正しく知ってもらいたいと思います。しかし、子どもにお金の話をするのは気が引けるし、そもそもお金について何をどう教えたらいいのか…。そんな悩める親に救いの手を差し伸べてくれるのが『「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」』(ベス・コブリナー:著、関 美和:翻訳/日経BP社)です。

 著者のベス・コブリナー氏は、パーソナルファイナンスの専門家としてオバマ大統領の金融教育諮問委員会のメンバーに選ばれた人物。コブリナー氏は本作の中で「3歳でおカネの概要を理解、7歳までに使い方のセンスが決まる」と言い、いいお金の習慣を早いうちから身につける重要性を説いています。

 3歳や7歳にお金のことなんてまだ早いと思うかもしれませんが、著者によると、子どもは大人が思うよりカネの概念を理解できているといいます。小さなうちからお金のいい習慣をつけさせておく方が、大人になってからよりも飲みこみやすいし、効率がいいのです。貯金だって大人になってから始めるよりも、少額でもいいから小学生のころからした方が「複利」も差が生まれます。幼稚な理解であっても、子どものころからお金に関心を持たせることには大きなメリットがあるのです。ただ、そこで問題になるのが、子どもにどうお金の話をするかです。しかし、本書では子どもと話す前に知っておきたいルールが紹介されています。

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子供とおカネの話をするときの14のルール
(1)まだ早いと思う時期から、子供に話を始める
(2)年齢に見合ったことを教える
(3)エピソードを話す
(4)数字を使う。数字嫌いでもかまわない
(5)自分のおカネのしくじりについてウソをついてはいけない。ただし、あけすけすぎてもいけない
(6)いくら持っているかについて、ごまかさない
(7)おカネに関わる親の弱みは脇に置く
(8)夫婦の間のおカネのもめごとは、子供に見せない
(9)子供におカネばかり与えていると、おカネのスキルは身につかない
(10)みんなが会話に参加する
(11)男女格差を作らない
(12)セレブのリアリティ番組を見せない。子供にそんなライフスタイルを真似させてしまうことになってしまうから
(13)時と場所を選んで話し合う
(14)子供の前で大盤振る舞いをしない

 当然だと思うこともあれば、すでにやらかしてしまっていることもあるかもしれませんね。子どもは大人をよく見ているし、子どもだからわからないと決めつけてはいけません。自分のお金に責任を持ち、身の丈にあった生活を送ることを、身近な大人が大切にしているか子どもはしっかりと判断しているのです。

 ルールを確認してから本作では、就学前、小学生、中学生、高校生、大学生、そして社会人にむけた、子どもの年齢層を6つに分けて教えるべきお金の話を具体的に紹介しています。子どもの金銭感覚をしっかり育てるために子どもでも理解できるように解説されたものですが、親としても知っておきたいことばかり。お小遣いやアルバイトなど、子どものお金について悩みがある人はもちろん、お金の考え方を見直すために、本書をぜひ手に取ってみてほしい一冊です。子どもだけでなく大人にも役立つアドバイスが満載なので、お金について考え見つめ直す、いいきっかけになるでしょう。

文=なつめ