もし自分が重い病気を患った時、子どもに何をしてあげられるか…?

出産・子育て

2018/5/14

『子どもを持つ親が病気になった時に読む本: 伝え方・暮らし方・お金のこと』(ポーラ・ラウフ、アンナ・ミュリエル:著、慶應義塾大学医学部心理研究グループ:訳/創元社)

 人生なにが起こるかわからない。もし、わが子がまだ幼いのに、親である自分が重い病気を患ってしまったら。回復が難しい病気だとしたら…。わが子にしてやれることは、何だろうか。

 世に出ている数多くの育児本は、健康な保護者向けに書かれている。親が重い病気を患ってしまったとき、例えば『子どもを持つ親が病気になった時に読む本: 伝え方・暮らし方・お金のこと』(ポーラ・ラウフ、アンナ・ミュリエル:著、慶應義塾大学医学部心理研究グループ:訳/創元社)が、子どもと家族の生活を支えてくれそうだ。

 ちなみに本書は、ハーバード大学附属病院であるマサチューセッツ総合病院の“親が病気の時の子育て支援プログラム(PACT)”のメンバーによって執筆され、PACTに相談に来た患者や家族に渡される資料の一つになっており、不安を抱える読者にとって信頼度が高い一冊となっている。

 本書は、子どもに対してどのようなメンタルケアの仕方があるか、入院中の面会についてのポイント、経済的な援助についての法的手続きはどうするか、家族での思い出づくり、別れに際して決めておくことなど、親の病気発覚後から最期まで、子どものために実践したいノウハウがまとめられている。

 病気が発覚した親は、当然ショックだ。それに輪をかけて、次にどう家族…特に子どもに病気の説明をしようかと悩む。本書は、子どもにとって最も辛いのは「親の病気そのものよりも、家族の日常が混乱すること」だという。親が病気の説明をすると、これまでの日常が破壊され、いったいどんな変化が起こるのだろうと不安になる。

 本書によると、このとき、子どもは主に次のような反応を見せる。

(1)親の病気が気になりすぎてしまう
…親にやたらとたくさん質問するようになり、生活における集中力が失われてしまう場合。親は「質問することで子どもなりに気持ちを整理しようとしている」と理解し、子どもが本当に聞きたい疑問に答えてあげるといい。

(2)親の病気の話を聞いても平然としている
…説明を聞いた子どもの反応があまりに乏しい場合。子どもに質問の機会を作ってあげたか、十分な時間が取れたかを振り返る。無理に質問させても、それがストレス軽減に役立つ保証はないため、親の病気についてあえて話をしない、という選択肢を大切にしてあげる姿勢も大事。

(3)気性が激しく頑固
…今まで以上に、親にぶつかってくることが多くなる場合。それだけ、子どもにとって実は親が頼りになる大きな存在であり、衝撃的なことだったと理解してあげる。そして、子どもにはこれまでに困難を乗り越えてきた方法と、その子を支えてくれる周囲のたくさんの人の存在を思い出させてあげるといい。

 親が重い病気を患った時、親はまず、子どもと家族の心の安定を取り戻し、「普段どおり」に立ち返っていくのがベストだと述べている。

文=ルートつつみ