鎌倉幕府が成立した年号といえば……えっこんなに変わったの!? 最新の教科書事情

出産・子育て

2018/5/14

『こんなに変わった!小中高 教科書の新常識』(現代教育調査班:編/青春出版社)

 かつて学習塾で働いていたことがある。塾講師の仕事をしていると「小学校の算数が難しくて、子どもの宿題を教えられない」という親御さんの声をよく聞く。「本当に? たかが小学生でしょ?」と侮るなかれ。近年、学習量・ページ数が増えており、今の大人たちが経験した算数よりも難化傾向にある。

 小中高でどのような授業を行うか、というベースとなる「学習指導要領」の改定はおおよそ10年に1度。民間で著作・編集された教科書を文部科学大臣が適切か審査する「教科書検定」は4年に1度、行われる。つまり、教科書は一定の周期で生まれ変わるのだ。そのため、久しぶりに教科書を見ると「こんなに変わったの?」と驚く方が多いはず。

 そんな今時の教科書の驚くべき最新情報が多数紹介されているのが『こんなに変わった!小中高 教科書の新常識』(現代教育調査班:編/青春出版社)だ。国語・数学(算数)・理科・社会・英語といった主要5教科に加えて、昭和と平成の学校生活での変化など、子どもにとって当たり前の情報が収録されている。本稿では、そのいくつかを紹介したい。

■鎌倉幕府が成立した年号といえば……

「1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府」という語呂合わせを覚えたという方は多いはず。しかし、鎌倉幕府成立の年号は1192年ではなく、1185年と改められているのをご存じだろうか。つまり“イイクニ”ではなく“イイハコ”になってしまったということだ。

 簡単に説明すると、1192年は鎌倉幕府を開いた源頼朝が征夷大将軍に就いた年号で、1185年は源頼朝が「守護・地頭」を全国に設置し、実質的な日本の支配権を手にした年。後者の方が多くの学者に支持された、的確な年号であることから変更されたという。ドヤ顔で「イイクニ作ろう……」と言ってしまわないよう注意したい。

■「マガリャンイス」って一体誰?

 最近の教科書の変化は外国人の名前にも及んでいる。例えば、「人民の、人民による、人民のための」でお馴染みの人物はリンカーン。しかし、今の教科書はネイティブの発音を重視しているため、「リンカン」と改められている。どこか寂しさを感じてしまうのは私だけだろうか。

 リンカン程度のマイナーチェンジであればわかるが、中には私たちが知っている名前と、なかなか結び付かないものもある。「マガリャンイス」と聞いて誰のことかわかるだろうか。こちらは大航海時代の偉人である「マゼラン」のこと。ちなみに、マゼランは英語、マガリャンイスはポルトガル語なのだそう。

 このような教科書の変化で戸惑ってしまうのは、大人だけではない。子どもにも影響があると言ったら驚くだろうか。家で宿題をしていると多かれ少なかれ、わからない箇所があるもの。そのとき、子どもたちは誰を頼るか。そう、身近な大人であるお父さん・お母さんだ。

「私が習ったときは、こう習った」とすでに変わってしまった知識を教えてしまうと、学校の先生と親の教え方が違うと混乱してしまうケースが意外に多い。ひょんなことから、子どもが勉強嫌いになってしまわないよう、親が楽しみながら学べるツールとして本書を使ってみては?

文=冴島友貴