就活や転職で使える! あなたの5つの資質を導き出す、才能発見テスト「ストレングス・ファインダー」

ビジネス

2018/5/17

『さあ、才能に目覚めよう』(トム・ラス:著、古屋博子:訳)/日本経済新聞出版社)

 なんでもできたほうがいい。苦手なものは克服したほうがいい。今の社会はそんな考え方を基にして成り立っている。営業の仕事が苦手でも頑張れば克服できるし、事務の細かい作業も気合で片付けられる。

 しかしそれは尋常じゃない努力とストレスを要する。時にはそれに負けて仕事を辞めることもあれば、本当に辛くて暗い顔で机に向かうこともある。人間関係に影響することも多々ある。しかし「苦手なものを克服すべきだ」と考える社会で生きる私たちは、これが人生で当たり前だと思っている。……果たしてそうだろうか? それでいいのだろうか?

『さあ、才能に目覚めよう』(トム・ラス:著、古屋博子:訳)/日本経済新聞出版社)は、書籍のタイトルの通り、私たちの中に眠っている「本当の可能性」を見つけ出す1冊だ。決して根性論でも、自己啓発本でもない。本書を読み、たった30分程度のテストを受ければ、誰でも自分の中に秘められた5つの可能性を見つけ出せるのだ。

■才能発見テスト「ストレングス・ファインダー」とは

 読者は「ストレングス・ファインダー」をご存じだろうか。一言で説明すると、「あなたの資質を測定するテスト」だ。

 たとえば、弁護士として働く人々は共通した資質を備えている。一方で消防士として働く人々は、弁護士とは別の共通した資質を備えている。しかしこういった「職業に合ったそれぞれ資質を自分が備えているかどうか」はうっすら分かっていても、はっきり明確に自覚しているわけではない。自分はどのような資質を備えていて、それをどれだけ持っているか。これを真に理解できれば、自分に合った職業を選べるし、自ら望む人生を歩める。それを明らかにできるのが「ストレングス・ファインダー」だ。

 このテストを受ければ、ビジネスの成功者たちが最も共通して備えていた34の資質のうち、その人の中でより際立つ5つの資質を導き出せる。本書が出版された2017年時点で、全世界で1500万人を超える人が受けたというので、百聞は一見に如かず、この記事を書く私も実際に受けてみた。個人的で恐縮だが、その結果を簡単にご紹介したい。

■導き出された5つの資質と職業の向き不向き

 本書の最後にはストレングス・ファインダーを受けるためのアクセスコードが記されている(このコードは1回しか使用できないので要注意)。コードを打ち込むと、このテストを受けるために必要な情報を入力する画面が出てくる。それらを打ち終えて、いざ、テスト開始。

 回答はいたって簡単だ。詳細には語れないが、1つの設問につき「自分はどちらに当てはまるか」という2つの問いが用意されている。回答者は、その2つの問いのどちらに近いか、5段階で回答していく。1つの設問に用意された制限時間は20秒。「最初に浮かんだ本能的な答えの方が、あれこれ考えて用意した答えより、その人の本質を導き出す」ということなので、回答中は忙しい。30分ほど時間を要するので、テストを受けるときはそれだけの時間と集中できる場所を確保しよう。

 そして32分後、私の備える資質TOP5が導き出された。本書では、34の資質の解説、よりその資質を活かすための「行動アイデア」、その資質を備えた人と一緒の職場になったときの「働き方」、この3つが紹介されている。もはや就活ツール、転職ツールと言っても過言ではないだろう。それでは、導き出された結果を3行以内にまとめたものを以下に載せたい。

1.内省

 この資質を備える人は、考えることが好きな人間で、知的活動を好む。なによりひとりの時間が好きだ。……めちゃくちゃ当たっている。哲学や文学、心理学に関する職業が向いているらしい。……当たっている。恥ずかしい。

2.共感性

 この資質を備える人は、周囲の感情を察し、まるで自分の気持ちであるかのように感じる。……よく原稿で暴走してしまうのはこのせいだったのか。他人の感情を誰よりも早く察知するので、職場の潤滑油のポジションになれるようだ。

3.未来志向

 この資質を備える人は、常に将来のことを考え、それに向かって情熱的に動く。確かに私は「今日は明日へ続く階段の1つ」という思想を持っている。このため、起業やプロジェクトの創立メンバーに向いている。

4.分析思考

 この資質を備える人は、他人の意見やデータを批判的に見て、その正当性を確かめようとする。マーケティングや金融、医療分野での調査、データベース管理、編集、危機管理に向いているそうだ。

5.着想

 この資質を備える人は、目の前の問題に対して、人とは別の角度から見つめて解決を図ることができる。同時にアイデアマンでもある。マーケティングや広告、ジャーナリズム、デザイン、新商品の開発に向いているらしい。

 重要なのは、この結果を得てどう行動するかだ。「内省」を備えているからといってそれに縛られる必要はないし、「分析思考」を理由に転職活動に自信が持てるかもしれない。この「資質」を活かして、いかに「才能」や「強み」に変えていくか。それが最も大切だ。

 この「ストレングス・ファインダー」は、15歳以上ならば誰でも受けられる。したがって、これから40年間の仕事人生を決める就活生、今の状況を変えたいと望む転職希望者には非常にオススメ。将来を決める大きな指針になりうるだろう。

 苦手を克服することは素晴らしいこと。それに努力する姿勢と経験が人生において大きな意味を持つ。これは間違いない。しかし昨今の労働環境を見ると、そこに時間と体力を注ぐ余裕もないことが分かる。窮屈な時代が訪れてしまった。ならば、自分の向いている仕事に就けばいい。「ストレングス・ファインダー」を受ければ、少なくとも自分に合わない職業を避けられるかもしれない。本書はその可能性を与えてくれる、将来のための一冊だ。

文=いのうえゆきひろ