かわいすぎて悶絶! 「ピーターラビット」の世界を切り取った写真集が登場

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更新日:2018/5/28

『ピーターラビット™の仲間たち 写真集』(菜十木ゆき/辰巳出版)

 全世界 35 の言語で発行され、シリーズ累計2億5000万部を誇るベストセラー絵本「ピーターラビット」は、世界中で愛されているイギリスの名作絵本だ。そんなピーターラビットの世界観を写真で表現した『ピーターラビット™の仲間たち 写真集』(菜十木ゆき/辰巳出版)が発売された。本書は原作の大ファンであった写真家の菜十木氏が10年以上にわたり、絵本の舞台となった湖水地方をはじめ、イギリスを巡り撮影した動物たちの写真集となっている。

 本書内にはウサギだけでなく、リスやキツネ、アヒル、小鳥、ブタ、猫、ネズミといった動物たちの姿も収められている。愛くるしい動物たちが大自然の中でのびのびと暮らしている光景は、まるで作者のビアトリクス・ポターが生きていた百数十年前をそのまま写し出しているかのようにも見えるだろう。さらに、絵本のシーンをそのまま再現している写真や絵本のイラストも多数掲載されているので、原作ファンも満足できる。

 菜十木氏は病に倒れ、42歳という若さでこの世を去っている。生涯をかけてピーターラビットの世界に魅せられてきたという菜十木氏の思いが込められた1冊である。

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 なお、ピーターラビットはこの度、初めてハリウッドで実写化され、2018年5月18日(金)から日本全国の映画館で上映される。今作は、大ヒットミュージカル映画『ANNIE/アニー』で監督を務めたウィル・グラックが指揮を取っており、絵本の温かい雰囲気を活かしたファンタジー映画となっている。物語は、画家で大親友のビアと共に世界一幸せに過ごしていたウサギのピーターの生活が、潔癖症で動物嫌いな隣人、トーマス・マグレガーが引っ越してきたことにより、一変することから始まる。相性最悪なふたりがどのように絆を深めていくのかを、ぜひとも映画館でチェックしてみてほしい。

 100年以上経っても世界中の人々から愛され続けているピーターラビットは、親子で楽しめる児童書だ。癒しを求めている方はぜひ、写真集や映画を見て、温かい世界観に触れてほしい。

文=古川諭香

菜十木ゆき(1973~2016)
東京都生まれ。大学卒業後、ロンドンに留学し写真を学ぶ。ピーターラビットの本に出会ったのをきっかけに、イギリスへの撮影旅行が恒例に。春・秋の年に2回、各1ヶ月ほど牧場に滞在し、動物たちの写真を撮るという生活が 10 年余り続いた。絵本に登場する動物すべてを撮るという目標を前に、あと少しというところで病に倒れ、43 歳の誕生日を迎えることなく旅立った。