日本人には「舌力」が足りない!? 滑舌や発声に自信がない人にオススメの鍛え方

生活実用

更新日:2018/7/9

『日本人のための声がよくなる「舌力(ぜつりょく)」のつくり方(ブルーバックス)』(講談社)

 話すというのは、日頃から無意識に行っていることだ。しかし、さまざまな人と会話をしていると「ああ、この人の声っていいなぁ」と思えたり、その一方で自分の声が「どうも苦手……」なんていう感想を持つ場面もある。

 滑舌や声の通り方など、声にまつわる悩みを抱えている人に紹介したい書籍が、プロのナレーターである篠原さなえさんがまとめた『日本人のための声がよくなる「舌力(ぜつりょく)」のつくり方(ブルーバックス)』(講談社)である。

■発声や滑舌のみならず姿勢にも関わる「舌の筋力=舌力」

 本書のタイトルにある「舌力」は、篠原さんによる造語だ。滑舌よくしゃべるためだけではなく、シャープでよく通る声を出すために必須となる「舌の筋力」を表した言葉だ。

 篠原さんによれば、舌は7つの筋肉でできているという。その中でも、特に重要なのは滑舌にとって特に大事な筋肉。それをしっかり使いこなせるようになれば、日本語の発声や滑舌はもちろん、唇や顎の形、姿勢、バランスといった全身にも影響を及ぼすという。

 例えば、ボソボソ言っていて聞き取りづらい、暗い印象を持たれてしまうという悩みであれば、その原因は「舌力」の不足が考えられるそうだ。口内と口元で呼気の通り道を細くすることができない、つまり、口が開いたような状態になってしまい勢いのない音になってしまうのだという。

■無意識に口が開いてしまう「ポカン口」の原因は?

 舌力に関わる問題として、篠原さんが取り上げるのが「ポカン口」だ。口が開きっぱなしになっている状態を示す造語であるが、これは「舌力をつける以前の段階で、決定的な問題を抱えています」と指摘する。

 ポカン口の原因となるのは、舌が「低舌位」という状態になっていることだと篠原さんは解説する。本来、舌というのは口を閉じているときに、先端が上の歯の裏あたりに付き、そのままのどのすぐ近くまで、全体がベタッと上顎に付いているのが正常な状態なのだという。

 一方、ポカン口の場合には、ふだんから口がうっすら開いているために、舌を上顎に付けておくことが難しい。この状態は声の出し方、または話し方にも通じるところで、滑舌が悪くなってしまう原因にもなりうる。子どもから大人まで、自覚なくポカン口になってしまっている人も、少なくないのだそうだ。

■舌と唇を挟んで舌力を鍛えられる「アカンベー運動」

 舌力は、日頃からのちょっとしたトレーニングで鍛えられる。本書では、効果的な練習方法が取り上げられているが、その一つが、舌と唇を同時に挟む「アカンベー運動」だ。以下のステップを、実践してみよう。

1)口を開けずに上唇と下唇の間から「アカンベー」というように舌を出す
2)舌を出したままの状態で、口をすぼめる

 これら2ステップを10回ほど繰り返すだけでオッケー。どうしても上手くいかないときは、口はおちょぼ口のままで閉じて、舌を上顎に貼り付けたまま細くするだけでもかまわないという。

 商談やプレゼンといった仕事の場面だけではなく、お気に入りの異性にアプローチするなどプライベートの場面でも、会話というのは必須のコミュニケーションだ。声という視点から、相手に好感を与えるために「舌力」を鍛えてみるのもよいだろう。

文=カネコシュウヘイ

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