「外見が人生を変える」ということを科学してみたら…

ライフスタイル

2018/6/14

『未来を変える「外見戦略」』(川園樹/KADOKAWA)

「見た目が大切」というが、それは本当だろうか? 『未来を変える「外見戦略」』(川園樹/KADOKAWA)の中にその答えがあったので、見てみよう。

■外見は「未来」を変える

 外見によって「未来」は変わります。外見が変われば、ビジネスの成功確率が上がり、成果までのスピードを上げることができます。もしかすると、「ビジネスの成果を決めるのは能力とスキルであって見た目など関係ない」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
「スティーブ・ジョブズ氏(Apple 創業者)はいつも黒のタートルネックのセーターにデニムのパンツのスタイルだったし、見た目で成果が決まったとは思えない」などと思われるかもしれません。確かに黒のセーター、ジーンズ、白のスニーカーは、ジョブズ氏を象徴する外見です。

 しかし、それは「Think different」というアップル社の企業文化を体現する戦略として考え抜かれたものでした。その証拠に、彼が銀行に行く時には、上質のスーツに身を包んでいたことはあまり知られていません。
 イーロン・マスク氏(スペースX社の共同設立者およびCEO)、リチャード・ブランソン氏(ヴァージン・グループの創設者で会長)、孫正義氏(ソフトバンクグループの創業者)のように、圧倒的なビジョンを持ち、人々を熱狂させ巻き込むカリスマ性と、未来を語れる力と推進力があれば、外見はさほど重要な要素ではありません。
 しかし、外見を気にせずに成功することは簡単ではなく、世の中の多くの人にとって「外見戦略」は重要な意味を持ちます。

 米国テキサス大学の労働学の権威、ダニエル・ハマーメッシュ教授が行ったビジネスマン7500人を対象とした調査によると、見た目の良さが平均以上の人は、平均以下の人に比べ生涯年収が約2700万円高いという結果が出ています。
 また、テキサス大学とミシガン大学が2500人の弁護士に行った調査によると、見た目の印象がよい魅力的な弁護士は、そうでない弁護士に比べて14%も多く稼いでいることが分かっています。これは弁護士だけの話でなく、すべてのビジネスパーソンに言えることでしょう。

■外見は「行動」を変える

 そうは言っても、「人を見かけで判断すべきではない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。特に日本ではそのような教育を受けていますし、深くお付き合いしてみると、第一印象とはずいぶん違うと気づく人がいるのは事実です。
 しかし私たちは、意識するしないにかかわらず外見で人を判断しています。それによって 私たちが取る行動も変わります。例えば、旅先で道に迷った時、汚れたTシャツを着ている人と清潔なシャツを着ている人、どちらに道を尋ねますか。アルバータ大学のウィリアム・ハレル教授の研究によると、外見がコミュニケーションに影響を与えていることがわかります。同じ女性が魅力的に装った場合(パンツスーツをきちんと着用し、髪をとかして化粧をしている)と、そうでない場合(食べ物の汚れのついたヨレヨレの服を着て、髪をとかさず化粧もしない)で、道を尋ねた場合の相手から得られる反応の違いを比較しました。

 すると、魅力的に装った場合のほうが道を教えてもらっている時間が長い、つまり長時間にわたって援助が受けられたことがわかっています。 外見が日常の行動の選択に大きな影響を及ぼすことが分かっているのです。

■外見は「情報」である

 人は何かを選択する時、受け取った「情報」から判断と類推を行い、評価し、行動に移します。
 大脳生理学では、脳が受信する情報の8割程度が目から取得したものとされています。人間は、生き残りのために主に視覚情報を用いることで安否を判断してきました。それゆえ人間は進化の過程で視覚優位な脳を形成してきました。 そして、進化とともに発達したのが、大脳新皮質です。

 大脳辺縁系が脳の原始的な部分であるのに対し、大脳新皮質は進化の過程で後からできた部分です。そして大脳辺縁系の実に3分の1が視覚に関わる領域です。原始時代には人々が生き抜くためには、それだけ視覚で危険を察知することが多くあり、また重要だったのでしょう。私たちが人を見た目で判断してしまうのは、これが原因の一つでもあります。

 つまり「外見」とは影響力のある「情報」なのです。だからといって、自分が望む未来を実現するためには優れている外見であること、容姿端麗であることが重要なのではありません。
 重要なことは、「自分は何ができるのか」「どのような人なのか」「何を目指しているのか」ということが相手に伝わること、「信頼」「安心」「親近感」を相手に感じてもらうことです。

 あなたの外見はどのような「情報」を発信していますか?
 それはあなたが本当に伝えたい「情報」でしょうか?