あなたの貯金額はいくら? 貯金下手でも貯められる、生活のコツとルールとは?

マネー

公開日:2018/6/28

『「29歳貯金ゼロ! 年収300万! このままで大丈夫か!?」と思ったら読む本』(岡村 聡/ダイヤモンド社)

 資産運用など、貯蓄を増やす本は数多く出ているが、元手がなければいきなり「資産運用とは」なんて語られても実行できない。しかし、年金や生活保護など国の制度に不安が多い今、自分の力で生きていける資金力の形成は必須事項ともいえる。分かってはいるけど、でも…という貯金下手な人には、ぜひ『「29歳貯金ゼロ! 年収300万! このままで大丈夫か!?」と思ったら読む本』(岡村 聡/ダイヤモンド社)をオススメしたい。

 本書は、29歳で貯金ゼロという貯蓄下手な主人公・ムダ蔵と、ムダ蔵の彼女・マネ実を中心としたストーリー仕立てで進んでいく。ムダ蔵は、友人たちが結婚していくのを見て、結婚を意識するようになる。だが、彼の貯金はゼロ。こんな状態で結婚しても、自分が心配なのはもちろんのこと、マネ実にも不安な思いをさせてしまう。そこでムダ蔵は、結婚に向けて貯金を始めることにした——。

 ムダ蔵がまず初めにしたことは、貯金をする習慣を作ること。金額は月1万円でもいいので、とにかく貯金して、家計簿をつける。家計簿というと、「細かい金額を忘れてしまって挫折した」「忙しくて続かない」という声もよく聞くが、何も1円、10円単位でつけなくてもいい。極力レシートをもらうようにし、週に一度、分かる範囲でつければOKなのだという。そして、税金や家賃などの固定費も入れること。こうすることで、何にどれだけお金を使っているのかが見えてくる。

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 一般的に、収入(手取り)の40%を固定費に、30%を変動費に、30%を貯金に充てるのが理想といわれている。しかし収入が少ないうちはそれでは生活していけない。そこで本書では、まずは固定費40%、変動費50%、貯金10%を目指すことを提案している。こういった習慣をなるべく早く身につけることで、今後の金銭的な安定性が大きく変わってくるそうだ。

 そしてこうやって安定して貯金するために「今すぐやめた方がいい3つの習慣」があるという。「宝くじなどのギャンブル性の高いもの」「無担保の高金利な借金」「クレジットカードのリボ払い」の3つだ。後者2つは、金利が高く、貯金をしていく上で大きな妨げになる。こういったムダな出費に無頓着でいると、安定して貯金を行うことが難しくなる。

 ムダ蔵は、マネ実と話し合って2人でこの方法を続けた結果、ある程度の貯金に成功し、無事結婚することができた。しかし、結婚はゴールではない、というのは当たり前のことで、ここから2人での生活は本格的にスタートしていく。結婚生活を始める際、初期費用としてかかるお金は平均100万円。結婚にいるお金というと、結婚式や披露宴の費用が頭に浮かびがちだが、実はそれらのお金はご祝儀や親族からの援助で賄えることも多い。それよりも、生活を始めるための初期費用の方がかかるのだとか。また、子どもはどうするのか、共働きなのか片方が家に入るのかどうかなども考えていかなければならない。

 この『「29歳貯金ゼロ! 年収300万! このままで大丈夫か!?」と思ったら読む本』には、そういった各ライフステージで起こるお金の問題をすべて取り上げ、老後のことまで含めて提案している。お金の管理は、早く始めるに越したことはない。現在の管理方法に不安がある人は、これを機に本書で現状打破を試みてみては?

文=月乃雫