文系でも大丈夫。あなたの強力な武器になる厳選19のITスキル

ビジネス

公開日:2018/7/3

ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル

著:
出版社:
東洋経済新報社
発売日:
『ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル』(グロービス経営大学院/東洋経済新報社)

 AI、ビッグデータ、ネットワークの経済性、プラットフォーム型ビジネス…など、ビジネスやIT業界にはとっつきにくい用語がたくさんある。これらを「自分は文系だから…」「私の専門分野じゃないから…」と言い訳して、きちんと理解することを諦めていないだろうか。確かに、文系出身の社会人が、最先端技術をその原理まで正確に理解する必要はないだろう。しかし、そうした新技術がビジネスにおいてどのような影響を与えているのか、またどんな活用分野が広がっているのかということはわかっておいたほうがいい。そう主張するのが本書『ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル』(グロービス経営大学院/東洋経済新報社)である。

■まず把握すべきIT化の3大潮流はコレだ

 そもそも、今進んでいるIT化の流れは、これから先のビジネスにどう影響を与えているのだろうか。本書によれば、3つの大きな変化が起きているのだという。

【1】
 経営において「モノ」よりも「情報」が重視されるようになる。工場でひとつひとつ生産しなくてはならない「モノ」とは異なり、「情報」は少ない追加コストで世界中にばらまけるようになった。そして、人々は「モノ」よりも、「情報」やそれと絡んだ「体験」や「経験」に価値を見出すようになる。

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【2】
「ネットワークの経済性」の重要度がいよいよ増していく。ネットワークの経済性とは、あるネットワークの参加者が増えれば増えるほど、その参加者たちのメリットが増えるという効果だ。これは、LINEの爆発的な普及を考えてみればわかりやすいだろう。身近や知人にLINEをやっている人が増えれば、それだけLINEは自分にとって便利なツールになり、利用者はより増えやすくなる。「モノ」の時代には、規模の経済や習熟効果が重視されていたが、これからの時代はこの「ネットワークの経済性」をうまく利用し、情報のプラットフォームを作ることが有効な戦略となる。

【3】
 技術進化のスピードが早まり、劇的な変化を誘発する。他の技術領域に比べて、ITは進化やコスト低減の速度が飛びぬけている。ここ数年で、音楽や映画の消費スタイルが大きく変わったと実感する人が多いだろう。こうした劇的な変化が、あらゆる産業で起き始める。マネジメントにおいても、これまでの積み重ねをただ踏襲するだけでは通用しなくなってくる。

■19の基本スキルを通して、ビジネスの一歩先を予測する力を蓄える

 

本書では、こうした大きな変化を踏まえ、これからの時代を乗り切るために必要最低限な知識やスキル、そしてそれらの効果的な学習方法を紹介している。大きく3つの章(チャプター)に分かれており、合計19のスキルが紹介されている。

チャプター1 コンピューター+データの基本スキル
チャプター2 戦略・マーケティングの基本スキル
チャプター3 リーダーシップ・組織の基本スキル

 例えば、チャプター2・スキル9で紹介するのは、「ネットワークの経済性を理解する」だ。「ネットワークの経済性」がはたらくサービスでは、なぜ「プラットフォーム型ビジネスモデル」が有効なのか。LINEのメッセージはなぜ無料なのか。グーグルやフェイスブック、アップルはなぜ20~40%という高い営業利益率をあげられるのか…といったことが解説されている。

 いまやこうした「プラットフォーム型ビジネスモデル」のネット企業は、あらゆる産業と関わりを持っている。その仕組みを知ることで、自分の業界のこれからの変化を予見したリ、広告主などの「課金ユーザー」の立場から、既存のプラットフォーム自体をうまく利用することにもつながるだろう。また生活者の立場から見ても、日常的に接するサービスの変化とその背景を知ることは非常に興味深いものだ。

 現在はまだ、この本で紹介されているITスキルは“常識”には至っていない。だからこそ、この先の新しい流れの中で何が起こるのかを理解し、今のうちにスキルを身につけておくことには、高い価値があるように思う。

文=中川 凌

この記事で紹介した書籍ほか

ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル

著:
出版社:
東洋経済新報社
発売日:
ISBN:
9784492046227