七不思議の外にあるもうひとつの怪奇。背筋がぞわりと震える学園ミステリー×サスペンス

小説・エッセイ

2012/3/15

Another (上)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:綾辻行人 価格:693円

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ただいま空前のミステリーブームなのであります(私的に)。
きっかけその1はアホみたいに面白かった『ミレニアム』ですが、その2はこちら『Another』。アニメ化・文庫化ということで再読してみたらば、やめどころが見つからず結局2日で読み終え寝不足のまま出社とあいなりました。ホラーと謳われていますがミステリーの要素の色濃い作品です。

「いないもの」の相手はよせ――。
クラスの誰からも無視され、まるで存在しないかのように扱われる眼帯の少女、見崎 鳴。転校先の中学で彼女を追ううち、警告めいた忠告を受けた恒一は、やがて26年前から語り継がれる「3年3組の怪談」の存在を知る。気づかぬうちに「それ」は始まり、生徒たちが次々と命を落としていく…。

知らぬまに死者のもぐりこむ教室と、その死者に引かれるように命を落としていく生徒たち。柔らかく、軽やかでさえある文体と語りの中で、凄惨な死体があがっていく様はかなりグロテスク。

学園ホラーの何が怖いって「隣で起こっていそう」なこと。あるかもしれない、と思ったとたんフィクションは現実に侵入してきます。加えてこの作品は「ありえない」を理詰めで畳んでいくので、「そんなことあるわけないじゃん」がことごとく潰され、そこには確かに「ある」んだと信じ込まされてしまうのです。

死の連鎖を止めるために恒一たちが奔走し、翻弄されていくストーリーはミステリーとしてもサスペンスとしても読み応えじゅうぶん。最後には「騙された!」と地団駄を踏み、なおかつ「怖いよう」と震えること請け合いです。実際わたし、読み終わったあとのほうが怖かった! え、これなにも解決してないんじゃないの、この学校どうなるのさ、ねえ! と綾辻さんが目の前にいたらゆさゆさ揺さぶりたい衝動に駆られました(できないけど)。

おもしろかった部分に触れれば触れるほどネタバレになるのが口惜しい。とにもかくにもぜひ、読んでみてください。この作品を機にすっかり綾辻ワールドにハマった私。『深泥丘奇談』を読み、今は「館」シリーズを読み漁っていますが、綾辻さんの作品の魔力に個々最近はとらわれっぱなし。ミステリーブームと言うより、綾辻ブームの到来なのであります。


26年前から語り継がれる、3年3組の怪談。果たしてそれはただの噂か…?

転校早々、いやな緊張感のなかで忠告を受ける恒一。だけどもう手遅れで…

謎(仕掛け)の多い作品なので、検索かけて読み直してみると新たな発見があるかも