赤い誘惑が飯テロを起こす！“ケチャップ”のすべてがここに！『技あり！ dancyu　ケチャップ』【作ってみた】

　なぜこの「赤さ」を見ただけでお腹が空き、食欲がかき立てられるのか。それは、それだけ昔から親しみ、食卓になくてはならない存在だったから。一方で、自分自身のケチャップを使ったレシピのバリエーションは案外少なかったりします。

　そこで、使えるのが『技あり！ dancyu　ケチャップ』（プレジデント社）。ここには、定番ものから、新しい組み合わせによる新発見レシピまで、ケチャップを使った48品がいかにも美味しそうな写真と共に、惜しげもなく披露されています。

　また、dancyuならではの「老舗料理店の傑作ケチャップ料理」も紹介されていて、まさに見ているだけで飯テロ状態。そこでこの中から、意外な組み合わせによってケチャップの新たな魅力が発見された3品を実際に作ってみました。

1、大さじ１杯で新しい味に変身！「サバの照り焼き」（P.51）

　サラダ油を熱したフライパンにかぼちゃを入れ、蒸し焼きにしたらいったん取り出す。次に、サバを皮目を下にして入れ、両面焼いたら、酒、ケチャップを加え、全体によくからめ、粗びき黒こしょうをふれば完成。

　1品目は、サバとケチャップを組み合わせたレシピ。サバと言えば、塩焼きなどがスタンダードな食べ方ですが、ここでは大さじ１杯のケチャップを加えることで、ケチャップの甘みと酸味が合わさった、今までにない少しエキゾチックな味に。それにプラスして、サバの魚臭さも消してくれるので、青背の魚が苦手な人でもおいしく食べられる一品です。

2、ケチャップ＆ごま油でどこか懐かしい味に変身！「豚肉の中華ケチャップ炒め」（P.64）

　容器に、ケチャップ、ごま油、酢、しょうゆ、ラー油を入れて混ぜ合わせたところに、豚肉を1枚ずつ広げながら加えてからめ、1時間ほどマリネする。これを、熱したフライパンに入れて炒めれば完成。

　2品目は、ケチャップとごま油を組み合わせたレシピ。一見、洋と中で合わなさそうな組み合わせですが、食べてみるとケチャップの甘みとごま油のコクが豚肉にうまく絡み、どこか懐かしい味で、子どもにも人気の一品でした。マリネソースを作れば、あとは漬け込んでさっと炒めるだけ、しかもマリネした状態なら冷蔵で4日、冷凍なら1ヵ月は保存可能なので、忙しい人には嬉しい超スピードおかずです。

3、ケチャップ＆ザク切りトマトで贅沢ソースに！「プレーンオムレツ　フレッシュトマトソースかけ」（P.70）

　ボウルに、ケチャップ、オリーブオイル、塩、こしょうを入れて混ぜ、ここに8mm角に切ったトマトを加えて混ぜ合わせればフレッシュトマトソースの完成。別のボウルに溶き卵、塩、こしょう、生クリームを入れて混ぜ、これを、バターを熱したフライパンに流し入れ、半熟状になったら皿に盛る。最後に、先ほどのフレッシュトマトソースをかければ完成。

　3品目は、ケチャップとトマトを組み合わせたレシピ。そもそもケチャップもトマトを使っているので、あまり変わり映えがしないかと思いきや、ザクザクとしたトマトを合わせることで、フレッシュ感や酸味が増し、ダブルトマトの贅沢なソースに変身。いつものオムレツにかけても、お店で出てくるような本格的な味を楽しめます。フランスパンにのせてブルスケッタにしたり、焼き魚の上にかけるなど、活用の幅が広いソースです。

　これら以外にも、もちろんオムライスやナポリタンなど、超王道レシピなども紹介されていて、この１冊さえあれば、ケチャップ料理を極められます。

ケチャップの新たな可能性を感じる1冊

　ケチャップを使ったそうそう新しいレシピなんかもうないのではと、侮るなかれ。もちろん、ケチャップそのものの味を活かした料理もあるけれど、隠し味的にケチャップを加えたり、他の調味料と混ぜ合わせることで、まだまだ新しい味が生まれることを、身をもって感じることができました。ケチャップは、これからも新たな出会いによって、まだまだ未知の可能性を広げていくことでしょう。

文＝JUNKO