ワンランク上の「会議の攻略法」で、部下をまとめて上司の一発OKを得よう

ビジネス

2018/7/4

『最高品質の会議術』(前田鎌利/ダイヤモンド社)

「今日も会議ばっかりか…」。入社して順調にキャリアを積み、係長や課長といったいわゆる中間管理職やマネジャーになると、出席する会議の数も増えるし、上司や部下が集まる会議を自分が回さなくてはいけなくなる。自分のプロジェクトをうまく進行できないと、上層部からの指示と現場の意見の板挟み…なんてことにもなりかねない。そんな不安を抱えるマネジャーたちにおすすめしたいのが、本書『最高品質の会議術』(前田鎌利/ダイヤモンド社)だ。著者のソフトバンク在籍時の経験をもとに、チームの生産性を高めるための実践的な“会議術”を紹介している。

■あなたが参加している会議のコストを計算してみよう

 会議術について考える前に、まずは自分たちの会議にどれだけのお金がかかっているかを考えてみたい。例えば、平均年収500万円(時給換算すると2500円くらい)のメンバー11人が毎週1時間定例会議を行うとすると、会議時間の人件費だけでなんと年間123万7500円。会議室代や資料作成費、その準備に関わる人件費を加えれば、合計200万円はくだらない。このコストを回収するには一体いくらの売上が必要になるのか…? 少し想像してみれば、非効率な会議がいかに時間とお金を無駄にしているかがわかるはずだ。

■事前にメンバーに伝えておくだけで会議の質が上がる3ポイント

 1分たりともムダにできない貴重な会議の時間。著者がもっとも効果を実感した会議の改善方法は、「意思決定に必要な条件は何か?」をきちんとメンバーに共有すること。本書にはその詳細な判断基準も解説されているが、大まかにまとめると以下の3つだ。

・本当に利益を生み出すのか?(財務的視点)
・本当に現場でうまく回せるのか?(実現可能性)
・会社の理念と合っているのか?(企業理念との整合性)

 会議で何かを提案するときには、必ずこれらの条件をクリアしているという状況説明を、明確な根拠と共に示すことをメンバーに徹底してもらおう。これだけで提案内容の質はぐんと上がり、会議での論点も明確になるため、会議そのものの質が向上するという。

■手ごわい上司から「一発OK」をもらう攻略法

 

せっかく部下たちと一生懸命考えたプランがまとまっても、最終的には上層部のOKを得られなければ実行できないものが多い。現場マネジャーの力不足で上層部から差し戻されてしまえば、その間プロジェクトは止まってしまい、部下からの信頼も揺らぎかねないだろう。こうした事態を避けるためには、上司とも適切なコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが不可欠だ。

 本書では、上司を「論理型」「堅実型」「独創型」「感覚型」の4タイプにわけ、それぞれの特徴と攻略法を解説している。例えば、「早口で声が大きめ」「表情が硬い(無表情)」などの行動特性をもつ上司は、「堅実型」に分類。このタイプの上司はロジカルなコミュニケーションを好むとともに、人間関係よりも実務を優先する傾向があるため、自らが完全に納得するまでGOサインを出さないことが多い。そのため、攻略法としては、納得するまで粘り強く対応することや、選択肢を提示することで「選んでもらう」形式にすることが効果的なのだとか。もちろん全ての上司が4つのパターンに綺麗に分かれるわけではないが、こうした特徴をヒントに、ひとりひとりの上司に合わせたコミュニケーションを行うことは大切だろう。

 さらに、「15分×2」セットで組み立てる“30分会議”などの具体的な会議進行テクニックも詳しく解説。こうした会議術だけでなく、実際に会議資料で使える“ひな形”も豊富に掲載されているため、まさに現場を管理するマネジャー必携といえる内容だ。本書で効率的な会議術を身につけて、長くて無駄な会議から一足先に卒業してみてはどうだろうか?

文=中川 凌