「競争」と「協調」はこの先どっちが大切? 永遠の課題を説くヒントは――

ビジネス

公開日:2018/7/5

競争と協調のレッスン ─コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)

著:
翻訳:
出版社:
TAC出版
発売日:
『競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学』(アダム・ガリンスキー、モーリス・シュヴァイツァー:著、石崎比呂美:訳/TAC出版)

「成功したい」。目指す成功の形はさまざまでも、ほとんどの人がそう願っているはず。だがどうすれば成功できるのか、という問いへの答えは、明確には分からない。成功するかどうかには、実力はもちろん、運も影響してくるだろう。

 それでも、少しでも成功に近づくためにできることは、案外たくさんあるもの。そんな成功への道の1つとして、『競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学』(アダム・ガリンスキー、モーリス・シュヴァイツァー:著、石崎比呂美:訳/TAC出版)をご紹介したい。

■「競争」と「協調」はどちらが得になる?という永遠の課題

 本書は、競争本能に従って利益を追求するべきなのか、それとも、協調して人と力を合わせるべきなのか、ということに焦点を当て、どちらか1つではなく両方のバランスが大事だ、ということを説く本。このバランスを取る方法を知ることが、自分の望むものをより多く手に入れることに繋がるのだという。それはなぜだろうか。

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 まず前提として、人は自分と他人を比較してしまう生き物だ。利益をひたすら追求し、それで成功しかけても、協調を忘れて突き進んでいると妬まれ足を引っ張られてしまうこともあるだろう。どこの世界にも、人の邪魔をすることで優位に立とうと考える人もいる。この現実があるならば、そうやって発生するリスクを考慮して、回避する方法を探さなくてはならない。

 そしてそれと同時に、自身もその他人との比較に囚われすぎないよう、気を付ける必要がある。この「比較」という行為とそれに伴う感情は、うまく活用すれば意欲を増し、「私も頑張ろう」という気持ちに火をつけてくれる。しかし下手をすると「もうだめだ」「負けている自分に耐えられない」と心が折れてしまいかねない。

■「デキる自分」をイメージすることがスキルアップにつながる?

 この「比較」という本能を味方につけて、競争と協調のバランスを正しく保つには、「自信を持ちながら謙虚に生きることが大切」と書かれている。自信がなければ競争に立ち向かえないし、謙虚さが欠如すれば協調性がなくなる。そしてこの2つのバランスが取れていれば、私は分不相応だなどと遠慮する必要はあまりないのだという。むしろ、多少実際よりも権力なり力なりがあるとかさ増しして思い込んだ方が、本当の実力もアップするらしい。

 そんな思い込みだけで…と思うが、実際筆者も自分自身の成功体験と失敗例を思い返してみると、自信がない時は無駄に緊張してプレッシャーに負けてしまうことがある反面、たまに勢いで突き進んだ時には意外とスムーズに事が進んだりもする。そう考えると、思い込みの効果は大事なのかもしれない。

 経験を重ねると、それに伴って知識が豊富になり、組織内の関係性や力関係も見えてくる。この時にそのプレッシャーに負けない心のバランスと、それを維持する方法を知っておけば、よりあなたの経験や知識を生かせるのではなかろうか。会社や組織の中でのバランス関係に煩わされたことがあるならば、この『競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学』で可能性を探ってみると、何か変わるかもしれない。

文=月乃雫

この記事で紹介した書籍ほか

競争と協調のレッスン ─コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)

著:
翻訳:
出版社:
TAC出版
発売日:
ISBN:
9784813271536