ボーナスシーズン到来! 購入前に必読、最新家電のチェックポイント

暮らし

2018/7/5

『すごい家電 いちばん身近な最先端技術』(西田宗千佳/講談社)

 ボーナスシーズンが到来し、家電の買い替えをしようという期待が頭の片隅にチラついている人は多いだろう。そうでなくても、家電量販店の中を歩いたり、家電製品のカタログに目を通したりしている時間は、至福のひと時だ。どうしてあれほどまでにワクワクしてしまうのか、私なりに考えてみた。

 ひとつは、「これを買えば毎日の生活が便利になったり、楽しくなったりしそうだ」という希望感。現代人の生活や娯楽は、もはや家電がなければ成り立たない。

 加えてもう1点、「新技術の結晶を実際に手に入れることができる」という特別感もあるだろう。メーカーやエリート技術者たちのたゆまぬ努力と工夫、人類の英知と歴史の結晶である最先端技術。これが人工衛星やジェット機などであれば生活感は薄いが、家電となると、私のような一般人でも気軽に実際触れることができるし、お金で買えば所有者にもなれる。こんな特別感には、何歳になっても少年の心をくすぐられてしまう。

『すごい家電 いちばん身近な最先端技術』(西田宗千佳/講談社)は、そういった家電全般にまつわる知識を紹介する書籍だ。さまざまな家電の背後にひそむ科学的なしくみや工夫、それを支える知恵とテクニックを製品ジャンルごとに解説する本書は、家電選びの際に役立つことはもちろん、家電にまつわるトリビアを吸収して楽しむこともできる。

■洗濯機は縦型とドラム型、どっちが良い?

 現在の電気洗濯機は主に、「縦型(渦巻き式)」と「ドラム型」に分けられる。前者を旧来型、後者を新技術と認識している人も多いようだが、実は、縦型/ドラム型の違いは、技術新旧の問題ではなく「その国の生活スタイル」で決まっている部分が多いのだそうだ。

 横向きに洗濯槽と扉が配置されたドラム型は乾燥機能が強いが、洗濯槽の大きさを確保するためにはある程度以上の設置スペースが必要となる。日本は、(1)住居の面積が狭い、(2)天日干しが一般的、(3)ミネラル分の含有量が少ない「軟水」が一般的、といった傾向があるため、省スペースで脱水機能に特化した縦型が支持を集めているのだとか。対して天日干しが条件的にも難しい欧米圏では、全自動で乾燥まででき、ミネラル分の多い「硬水」に対応した温水洗いのできるドラム型が普及したのだという。

■トイレは今や家電! 高性能トイレの気になるコスパ

 かつては水回りの備品のひとつという位置づけだったトイレ。しかし現代のトイレは自動で水を流して便器を洗浄し、便座を温めて寒い冬の朝でも心地良く座らせてくれ、さらには温水洗浄や脱臭の機能を備え…と、十分に「家電」と呼べるだけの要素を持ち合わせている。そして現在も、排泄物の色などから健康状態を推測するといった新機能が研究され、進化や開発が続けられているのだそう。

 だがここでひとつの疑問が浮かび上がる。昔は電源すら不要だったトイレに電気代をかけるなんてもったいないのでは?

 パナソニックの試算によれば、一般家庭の水洗トイレの場合、20年前(13Lタイプ)には年間2万700円の水道代がかかっていたが、同程度クラスの現行モデル(アラウーノ)では、年間6200~6700円程度の水道代で済むようだ。これに年間数千円の電気代が加算されたとしても、水道光熱費のトータルで見ればかなりのコストダウンが期待できるのだという。

 奥深い家電の世界は、現在もなお拡大と進化を続けている。利便性の向上はもちろんのこと、何気ない日常にワクワクをもたらしてくれる家電の“オーナー”になることは、とても素敵なことだと感じる。

文=K(稲)