その調理法、実は「ビタミン」を無駄にしてるかも!? 『栄養まるごと10割レシピ!』【作ってみた】

食・料理

2018/7/17

『栄養まるごと10割レシピ!』(小田真規子:著、東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部:監修/世界文化社)

 普段料理をしている時に、その素材の「栄養」がどれくらい残っているか意識していますか? 料理をするだけで精一杯で、なかなかそこまで気にしていないというのが正直なところだと思います。ただ、体に良いと思っていた野菜も、調理法によってはほとんどの栄養を無駄にしてしまっているかもしれません。知らなかったという人には、『栄養まるごと10割レシピ!』(小田真規子:著、東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部:監修/世界文化社)が便利です。

 ここでは、調理は短時間で、細かく切らない、手順を変える、食材の特性を生かすというルールに基づいて、食材がもつ栄養をまるごと味わうためのレシピが紹介されていて、目からウロコなネタが満載です。そこで、今回はこの中から、今までの常識を覆すような調理法で作る3品を実際に作ってみました。

1、種とワタも食べちゃう!? 「ピーマンの丸ごとオイル煮」(P.53)

 指でピーマンの表裏2か所に穴をあける。サラダ油を熱したフライパンに、ピーマンを並べて、全体に焼き色がつくまで焼いたら、いったん火を止める。ここに、にんにく・塩・しょうゆをからめ、オリーブ油を加えたら再び火にかけ、上下を返しながら5分煮れば完成。

 1品目は、ピーマンをまるごと使ったレシピです。通常ピーマンは、種とワタをとってから切って使いますが、実はこの今まで捨てていた部分には、血液サラサラ効果がある成分や「ポリフェノール」が皮の10倍あるそうです。また、カットすることで「ビタミンC」なども3分の1近く流出してしまうんだとか。これはまるごと食べないとかなりもったいないことに…。

 そこで、実際まるごと焼いたピーマンをそのまままるかじりしたところ、栄養価云々の前に、ピーマンがめちゃくちゃ甘い! あの苦さがまったくありません。それは、ピーマンは細かく刻むほど細胞が傷つき、苦味成分が飛び出やすくなるので、まるごと食べる方が苦みを感じないからだとか。このように、ピーマンをおいしく味わうためには、まるごと調理が鉄則と言えます。

2、半熟仕上げで96%栄養吸収!「ブロッコリーのフリッタータ」(P.70)

 耐熱皿にぬらしたペーパータオルを広げ、ブロッコリーを並べたら、さらに上からぬれたペーパータオルをかける。これをラップなしで、600Wの電子レンジで1分半加熱する。オリーブ油を熱したフライパンに玉ねぎとソーセージを入れて炒め、ここに先ほどのブロッコリーを加えてさらに炒め、塩をふる。割りほぐした卵を高い位置から回し入れ、木べらで10回ほど混ぜ、ふたをして5分ほど焼き、半熟状態であれば完成。

 2品目は、ブロッコリーと卵を使ったレシピ。実はこの組み合わせが重要で、卵の栄養成分のひとつ「ビタミンD」は「マグネシウム」がないと十分に活性しないので、マグネシウムが多いブロッコリーと合わせることで、卵パワーが最大限に活かされます。

 また、卵は、生だと消化吸収率が60%ですが、半熟だと96%になると言われており、半熟状態で仕上げることが大切になってきます。そのほかにも、ブロッコリーはゆでるよりも、レンチンすることで、ビタミンロスを減らし、これを軽く油で炒めることで、「β-カロテン」の吸収率が7倍になるとか。そんな、大事な栄養がまるごと詰まったこの一皿は、野菜の甘みやソーセージのうま味をしっかりと卵が受け止めていて、シンプルな味付けながらも、噛めば噛むほど深い味わいが広がるレシピでした。

3、炒める順序を変えるだけで3割得する「野菜炒め」(P.83)

 サラダ油を熱したフライパンに、小麦粉をまぶした豚肉、にんじんの順に広げる。この上にキャベツをのせ、押さえながら3分ほど焼く。全体を返し、2分ほど炒めたら、中央を空け、ここに生姜、しょうゆ、こしょうを混ぜ合わせたものを入れ、全体にからめながらさっと炒めれば完成。

 3品目は、野菜炒めレシピです。ただ、いつものように炒めるのではなく、炒める順番にこだわっています。というのも、最初肉の色が変わったら野菜を順番に炒めて…としていると、肉に火が入りすぎ、野菜からも水分が出てビタミンもおいしさも大損してしまいます。そこで、ここでは、加熱することで「カロテン」の吸収が7倍になるにんじんを肉と同時に炒め、さっと加熱して、「ビタミンC」を守りたいキャベツは最後に炒めることで、各栄養を最大限摂れるように工夫しています。ほかにも、切り口から栄養が流れにくいように野菜は大きめに切り、肉に小麦粉をまぶすことで、「ビタミンB1」の流出を1割までに抑える徹底ぶり。こうして出来上がった野菜炒めは、通常よりもビタミンが3割お得に。味も、肉はやわらかく、キャベツはシャキシャキ、にんじんは甘くと、それぞれのおいしさをしっかり味わえる仕上がりに。シンプルな野菜炒めだけれど、おいしく作れるコツを知れて得した気分になりました。

 これら以外にも、使う包丁によって栄養がロスしてしまうことや、卵はお湯から、それとも沸騰してからゆでた方がいいの!? など、知っていて絶対損はない情報が盛りだくさんで、読むだけでもかなり勉強になります。

栄養のことまで意識すれば、料理はもっと“おいしく”なる

 栄養価の高い野菜を使えば、そのまま体に摂り入れられると思いきや、調理法によって想像以上に栄養ロスしていることが判明し、正直ショックを受けました。せっかく料理をするなら、少しでもたくさんの栄養を摂り入れたいですよね。最初は、少し覚えるのが面倒かもしれませんが、一度覚えてしまえばあとは実践するのみなので、みなさんも頑張って調理のコツを覚えて、本当に体によくておいしい料理を作ってみませんか?

文=JUNKO