夫婦は家のどこでセックスしてる? 一級建築士が教える、セックスレスにならない「間取り」

恋愛・結婚

2018/8/3

 はたして、どうすればセックスレスを解消できるのか?

 これは多くの夫婦が抱く疑問だろう。それは肉体的に機能しない場合もあるし、精神的に何か事情が発生しているのかもしれない。

 ……加えて、家の「間取り」が関係しているかもしれない。

 一級建築士の船渡亮さんとセックスレス専門カウンセラー三上かすみさんの共著『セックスレスにならない間取り 子供がいても夫婦円満の仕組み』(株式会社かえるけんちく)は、こんな見出しから始まる。

「家のどこでセックスするの?」

 これは世界中にプロジェクトを抱えるスター建築家、隈研吾(くまけんご)さんの「夫婦は家のどこでセックスをするの?」という言葉を引用したものだという。

 夫婦のセックスを「間取り」から考え予防しよう、という目的の当書籍。一級建築士でありながら、自身も一人の父親として生活する船渡さんが、知識と経験から夫婦のセックスレス問題について考える。

 著者の船渡さんは、セックスするのに必要な条件は、以下の5点だと述べる。

(1)二人の合意
(2)精神的な余裕
(3)身体的な余裕
(4)二人だけになれる時間
(5)二人だけになれる空間

 ラブラブなカップルであればいつだって条件を満たすことができるかもしれないが、子どもをもつ夫婦ともなると、途端にその難易度はあがる。お互いの仕事が忙しかったり、育児や家事に時間も体力もとられ疲れ果てていたり、そもそも寝室で子どもが横で寝ていたり。

 第5章の「間取りでセックスレスにならない5つの方法」では、子どもと川の字で寝ている親子や、子ども部屋が夫婦の寝室の隣で音漏れが心配な場合など、ケースごとの解決法と具体的な間取りが紹介されている。

 精神的もしくは肉体的な原因によるセックスレス問題について書かれた記事や書籍は多くあるが、家が寒すぎてセックスをしたくない場合の窓やエアコンの配置場所、音漏れが心配な際に壁に追加すべき素材など、ここまで家の間取りからセックスレス問題を具体的に考えた本はなかなかないのではないか。

 つづく第6章では夫婦円満という視点から考えられた7つの間取りも紹介されている。それぞれの間取りに家族構成や属性、ふだんどのような暮らしをしているのか解説つきだ。たとえば、夫婦と子供2人(5歳と2歳)が住む3LDKの場合として挙げているのは、家族4人で寝る主寝室とは別に、夫婦の営み用の洋室も用意されている、という間取りだ(下図「間取り1」参照)。

オーソドックスなマンションタイプの例

夫婦で気兼ねなく営める注文住宅の例

 将来子どもが大きくなり2つの洋室をそれぞれ個別に使うようになった場合も想定して、懸念事項と解決方法も説明されているという徹底ぶり。これから新居を考えている夫婦は、未来のセックスレス問題にそなえて今から参考にしてみてもいいかもしれない。

 間取りはもちろん、セックスする場所としてダイニングキッチンやお風呂なども紹介されており、夫婦で読みながら「たまには一緒にお風呂に入ってみる?」なんて切り出すきっかけにも使えそうだ。

 また、間取り以外の部分でも、カウンセラーの三上さんが今まで聞いたセックスレスの事例なども紹介しながら、具体的に問題の所在や解決方法について説明をしている。ふだんカウンセリングに来る女性の多くは、夫や夫とのセックスに対する依存か、もしくは自立したことで夫の必要性を感じていないところで止まってしまっているという。三上さんは、依存や自立の先に、お互いに力を合わせて幸せを広げる「相互依存」という形を提案している。セックスレスは、セックス以前の、お互いの精神状態を根本的に解決していく必要があるのかもしれない。

 また、当書は三上さんが女性側の視点から書いた「女のトリセツ」、船渡が男性側から書いた「男のトリセツ」どちらも入っており、視点が一方的になっていないのもいい。

 男女や子どもの自慰行為についてもカバーされており、そういった性的な欲求を「汚いもの」として忌避しないような家庭環境の作り方を提案している。女性が性の自立をするために役に立つセックストイとして、3種のローターが写真付きで紹介されており、記載されているURLから飛ぶと、読者限定のページでローターの使い方を動画で見ることができるなど、かなり実践的だ。

 お互いに精神的にも経済的にも性的にも自立しながら、それでも必要なときは頼りあって仲良く夫婦として暮らしていく。この本に書かれているメソッドはどれも現実的かつ実践にうつしやすいものばかりで、今セックスレス問題に悩んでいる人たちにとっては特効薬のような存在なのではないだろうか。

文=園田菜々

続編『セックスレスにならない暮らし』は9月に発売の予定