いまだに英単語を“丸暗記”してない? 「語源学習」なら芋づる式に語彙が広がる!

暮らし

2018/7/12

『英単語の語源図鑑』(清水健二・すずきひろし/かんき出版)

 英語を使いこなしたいと、誰しも一度や二度は願ったことだろう。しかし、いざ勉強を始めてみると膨大な単語を前にして辟易してしまったり、ちょっとだけ暗記できたのはいいものの、日にちが空いてしまい前に覚えた単語が頭から抜けてしまったりなんてこともありがちかもしれない。

 そんな人たちにおすすめしたいのが、丸暗記ではなく単語の“法則性”を覚えて英語の語彙を増やそうという書籍『英単語の語源図鑑』(清水健二・すずきひろし/かんき出版)である。本書によれば、語源から覚えれば英字新聞や雑誌を不自由なく読めるほどとされる「1万語」程度の英単語を身に付けられるという。

◎英単語の多くは「接頭辞」+「語源」+「接尾辞」で成り立つ

 本書がすすめるのは「語源学習法」だ。実は、英語にも漢字の部首やつくりのような法則性がある。

 英単語の多くは位置や時間、強調や否定などを表す「接頭辞」から始まり、主に単語の意味の中核を示す「語源」が真ん中に。そして、単語の品詞に機能や意味をもたらす「接尾辞」でしめくくられているため、語彙が少なめであってもそれぞれの意味さえ何となくでもつかんでおけば、英単語そのものの意味が推測できるという。

 実際の紙面では、イラストを交えて分かりやすく伝えているが、本書で取り上げられた単語の事例を紹介してみたい。

◎物事の方向を示す意味を持つ接頭辞「ad」

 日本語でもカタカナで用いられる「アドベンチャー」など、英単語では「ad」が初めに付く言葉もけっこうよく見かける。元々、その言葉が示すのは「~の方へ、~の方を」といった意味で、物事の方向や対象を表している。これをふまえて、先ほど日本語として紹介した「adventure」について考えてみよう。

 英単語を分解してみると、接頭辞にあたるのは「ad(~の方へ)」で、語源となるのは真ん中にある「vent(行く)」。接尾辞である最後の「ure」は、それ自体は意味を持たないが状態を表す名詞を形づくるための言葉だ。したがって、全体を繋ぎ合わせると「何かに向かって進んでいくこと」となり、転じて「冒険」や「冒険心」などを表す言葉になるわけだ。

 また、接頭辞と語源のみの組み合わせもある。例えば、日本語でも定着している「address」もその一つ。語源の「dress」は本来「まっすぐに」という意味を持つ言葉で、組み合わせると「まっすぐに向けられたもの」となり、転じて「住所」を表すほか、動詞として大衆に向けて「演説(する)」という意味にもなる。

◎接頭辞「in」は何かの中に入り込むイメージ

 何かへ入るというイメージのある「in」を接頭辞に持つ英単語も、比較的よく見かけるものだろう。元々は、ラテン語の「en」から派生した言葉で、接頭辞として使われるときは続くスペルが「b」「m」「p」で始まる場合に表記が「im」となり、「l」の場合は「il」に、「r」の場合「ir」に変わるという特殊な英単語でもある。

 例えば、カタカナ語としても使われる「innovation」を分解すると、接頭辞にあたるのが「in(中に)」で、語源となるのが「nov(新しい)」、接尾辞に「ation(なること)」が使われているのが分かる。これらをそのまま繋ぎ合わせると「新しい物の中に入ること」となり、転じて「刷新」や「革新」を表す言葉になる。

 さらに、歯の治療などでなじみある「implant」もこれに該当する英単語。「im(中に)」と「plant(植える)」の組み合わせから成り立っているため何かへ「植え付ける」となり、そこから「移植する」という意味をイメージすることができる。

 さて、書店などでは様々な英語の学習本を見かける。勉強しなきゃと思うとどうしても腰が重くなってしまったりするが、本書は英語の雑学本としても親しみやすい内容になっている。大人になってから読むと、受験のときに「この本があったら…」とちょっぴり悔しくなる気もするが、楽しみながら語彙力を身に付けられるはずだ。

文=カネコシュウヘイ