「『隠キャラ』と『陽キャラ』っていう立場付けが そもそもめんどくさい」『好きな人を忘れる方法があるなら教えてくれよ』【連載第4回】

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公開日:2018/8/3


 Twitterで55万人が共感するニャンの処女作『好きな人を忘れる方法があるなら教えてくれよ』発売翌日に大重版が決まり、今注目を集めています。「共感しかない!」「立ち読みで泣いた!」という声続出の本作。重版を記念して一部原稿を少しだけ特別無料公開。つらいけど、やめられない。作品の世界に触れてみてください。

「隠キャラ」と「陽キャラ」
っていう立場付けが
そもそもめんどくさい

 学生のみんな、今日も教室という小さな箱の中で、「めんどくせえな」と思ってしまうような人間関係に悩まされてない? 数年前に生まれた「陰キャラ」という言葉、今ではほぼ毎日聞いてる気がする。実際自分も、この言葉に何年も囚われてたし。

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「陽キャラ」と「陰キャラ」っていう立場付けがそもそもめんどくさい。
 クラスのパリピが意見の言えない静かな人たちを「陰キャラ」とバカにする。それを止められない自分がイヤだったし、たまにそう言われる自分自身にも嫌気がさした。「おい、陰キャラ」と言われるたびに引け目を感じたし、「自分は目立ってはいけない」って意識も持ってた。そのせいで好きな人にも話しかけられなかったし、クラスの行事ごとにも参加しづらかった。

 スクールカースト地獄絵図。

 でも抜け出した今思うことは、学校ってすごく狭い世界だってこと。狭いから、そういうめんどくさい立場付けも生まれるんだろうけど。人生は80年として、学校に通うのは大学に進学したとしても約16年。めちゃくちゃ長いようで短いし、世の中のほんの一部でしかないって考えると少しラクになる。その狭い世界を抜け出すきっかけは、必ずある。

 人は生きてる限り、ずっと「自分の意見」を伝え続けなければならない。「陰キャラ」のまま黙ってるって、チャンスを失い続けるってことだろ。言葉の暴力になんか負けない人になりたい。