料理ができれば男は無敵。仕事のスキルアップに通じる凄ワザを紹介!

食・料理

2018/7/25

『料理ができる男は無敵である』(福本陽子/サンマーク出版)

 この春からの新生活で自炊を始めてみたものの三日坊主になってしまい、せっかく購入して悦に入っていた調理器具や調味料が、ただ並んでホコリをかぶったままになっている人はいないだろうか?

 よくわからないからとキッチンに立つことを躊躇する男性や、仕事で忙しいからと自宅での食事をおろそかにしている男性、また、料理本を手に取ったことがないという男性には、本稿で『料理ができる男は無敵である』(福本陽子/サンマーク出版)をおすすめしたい。本書は、料理で得られるメリットを説明する「理論編」と「取り組む前の心得」が前半にあり、それに続いて要領よく料理をこなすための「実践編」が後半に続く構成となっている。料理本というよりビジネス本に近いフレーズが目次に並ぶのも、男性諸氏にとって馴染み深いだろう。

 本書の特徴は、料理をつくるテクニックだけでなく、料理を通じて得られるメリットや、仕事に活用できる自己啓発的なテクニックを数々教えてくれる点にある。早速本書からいくつか魅力的なキーワードを抜き出して紹介したい。

■料理は決して難しくない――むしろプラモデルや理科の実験に近い

「料理=難しそう」という男性の不安をかき消してくれるのがこのフレーズだ。男子の心をくすぐる「プラモデル」や「実験」を引き合いに、少年時代に体験したことの延長で料理ができることを説明してくれる。「プラモデル」のように順番に組み立てたり、見本通りに皿に盛り付けをしたり、理科の実験のように材料の液体や粉を量ったり、解剖のように素材を切り分けたり…。どれも表現次第で男子の好きな作業工程のように響くから不思議だ。

 本書によると、カット野菜に市販のドレッシングを掛けるという簡単な行為も立派な料理の出発点で、これも「足し算」感覚で把握すると、分量がわかりやすいのだという。

■仕事に必要なスキルは、料理を通じて習得できる

 著者は「仕事ができる人」の必須条件として4つのスキルを挙げ、それらを得るためには具体的に何を鍛えればよいのか、料理に関連付けて提案している。

(1)目標設定力:誰かに食べてもらうトレーニング
(2)感受性:相手が食べたいものを察してつくるトレーニング
(3)柔軟性:「塩梅」を学ぶトレーニング
(4)ポジティブ力:レシピに挑戦するトレーニング

 たとえば、「(4)ポジティブ力」について補足すると、どんな仕事においても前向きに挑戦する力は要求される。たとえルーティンの仕事でも、改善点がないか見直す前向きな工夫は必要だろう。料理の作業には、この「ポジティブ力」を養う効果があるそうだ。

 料理を知れば、自分がレストランに入ったとき、食べる姿勢がまったく違ってくることがわかります。(中略)ただ出された料理を漫然と食べるのではなく、「この味はどうやって出すんだろう」「この組み合わせはおもしろい。今度家でやってみよう」「この盛りつけは参考にできそうだな」などと自然に考えてしまいます。そうやって好奇心旺盛にアタマで発想をどんどんつなげていくことも、ポジティブ力のひとつです。(本書95頁より)

 自宅のキッチンで料理をつくり、要領よく後片付けまで済ませる一連の流れを習得すると、自然と仕事のスキルもアップしていると考えるのは、なんだかお得な気分にもなる。

■無敵になるための男の料理法とは――

 さて、ここまでの理論に納得したところで、男として無敵になるための実践技術やレシピの紹介が始まる。

 タイムテーブル形式で視覚的にも把握しやすい作業チャートや、人には聞きづらい初歩的な道具(包丁など)の使い方、また献立の組み合わせ方など、今日すぐ始めてみたいという人にも料理に慣れた人にも役立つ情報が、わかりやすく解説されている。

▲複数の料理を同時進行で進めるための丁寧なチャート付き

▲人気の餃子づくりで男の「応用力」をスキルアップ

▲道具の使い方も写真でわかりやすく図解

 食事をすることは人間にとって毎日欠かせない必須の行動。せっかくならば、こうやって角度を変えて食事や料理を見つめ直すことで、自分のライフスタイルをポジティブなものに変換していくこともできる。そう気づかせてくれるのも、本書の魅力だろう。

 また、料理のいいところは、気軽にチャレンジできることにある。スーパーやコンビニで買った惣菜を皿に盛り付け直すだけでもいいし、長時間コトコトと旬の食材を煮込むのもいいだろう。また、ひとりでゆっくり味わうのもいいし、家族や友達に振る舞うのも楽しいだろう。本書を通じて、私も「無敵の男」を目指そうと決めた。

文=大庭 崇