夫が浮気を認めた瞬間、妻たちが思うこと

恋愛・結婚

公開日:2018/8/5

■「裏切られた」

 まず最初に思うのは、「裏切られた」だったとノブコさん(42歳)は言う。

「うちは友だち夫婦という感じでしたが、一気に信用失墜、金輪際、この男は信頼しないと決めました。とにかく腹が立った。同じようにフルタイムで働いているのに家事や子どものことはほとんど私任せ、あげく浮気ですか、ヒマでいいですねって言ってやりました」

 夫は顔をひきつらせていたという。夫の不倫は半年以上続いていたらしく、女性に奢るお金があるなら子どもたちに何か買ってやれよとも思ったとか。

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「家族に気持ちもお金もつぎこんで、それでも余裕があるならすればいい。ふたりで働いてもカツカツの生活だってわかってるくせに、外で女にいい顔するのが許せないとも思いましたね」

 長年一緒にいる家族を第一にすべきなのに、自分の欲情を優先に考えたのが許せないということらしい。

「夫は単なる浮気だ、オレにとって大事なのは家族だと言ったけど、そんなの当たり前でしょう。でも『単なる浮気』という言い方は相手の女性にとって失礼。どちらに対しても失礼なことをしているんだと思いますね」

 ノブコさんの意見は正しい。夫は反論できないはずだ。

■ひたすら悲しかった

 聞いた瞬間、怒りよりまず「悲しくて涙が止まらなかった」というのは、カホリさん(39歳)。高校時代からつきあい始め、10年後に結婚して以来10年たったときのできごとだ。

「一緒にいる時間は親より長い。そんな彼が浮気していることなんてすぐわかりました。問い詰めたらシラを切り通そうとしたけど結局、陥落。土下座して謝っていました。私は自分が怒っているんだと思ったけど、彼のそんな姿を見たら涙が止まらなかった。私自身、夫のことが今も本当に好きなんだと改めて思ってちょっと驚きました」

 馴れ合いの関係だと思っていた。家族としての愛情はあるが、男女としての新鮮さはないのだと。だが浮気を聞いたときは、まるでつきあいが始まった高校時代のように心が揺れた。

「思わず『私のこと、嫌いになったの?』と泣きながら抱きついてしまいました。あとから聞いたら、夫は私のことだから蹴飛ばしてくるだろうと覚悟していた、と。そのくらいふだんから怖いんでしょうね、私(笑)」

 ただ、彼女の本音は夫の心変わりを怖れる“女の子”のままだった。夫の浮気がわかったとき、自分の心にどんな感情がわき起こってくるのかは、実際そうなってみないとわからないものなのかもしれない。そしてその“本音”に従って、その後の態度を決めたほうがよさそうだ。

「あれから3年、実はうち、前より仲良くなりました」

文=citrus 亀山早苗