寝る前に仕込むだけ! 夏に嬉しい「漬け込み」レシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2018/8/6

『寝ている間においしくなる』(栗原友/祥伝社)

 うだるような暑さの日々が続く中、キッチンにいる時間を極力減らしたい!という人も多いはず。でも、暑い日こそ美味しいものをしっかり食べて体力を回復したい! そこでオススメしたいのが、『寝ている間においしくなる』(栗原友/祥伝社)。

 本書は、前日にちょっと頑張って仕込んでおくことで、食べたい時に切るだけ、焼くだけでちゃんとした食事ができるというもの。いわゆる“ずぼら飯”とはちょっと違う、手間をかける時間をずらすというのが特徴だ。“仕込む”とはいっても、そんなに手間のかかるものではなく、10分くらいあればできるものばかり。あとは時間が勝手に美味しくしてくれる、と書かれている。そこで、実際に作って試してみた。

■「サーモンの昆布締め」(P.16~P.17)

 1つめは、「サーモンの昆布締め」。刺身用サーモンに塩昆布をまぶし、冷蔵庫で一晩置くだけ。あとは切って、塩昆布と一緒に盛り付ければ完成。

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 塩昆布の旨みたっぷりの塩気がサーモンに染み込み、何もかけなくてもしっかり味がついている。サーモンに塩昆布を合わせたことはなかったが、これはぜひ繰り返し作りたい美味しさ。材料も2つだけなので、塩昆布を常備しておけば、サーモンさえ買ってくれば、いつでも作ることができる。クリームチーズと合わせてクラッカーにのせても美味しいそう。

■「鶏のハーブマリネのグリル」(P.32~P.33)

 2つめは、「鶏のハーブマリネのグリル」。鶏もも肉、にんにく、タイム、レモンのスライス、オリーブオイル、塩を保存袋に入れて揉み込み、一晩冷蔵庫で寝かせる。あとはフライパンでじっくり焼けば完成!

 レモンやタイムの香りが爽やかで、そこににんにくのパンチもあってボリュームもあるという、この時期嬉しい一品。安い鶏肉も、こうやってひと手間かけることで絶品料理に大変身する。アスパラとコーンは、鶏肉を焼いたあとのフライパンで焼くと味が移って美味しく仕上がる。

■「豆腐のニラ醤油漬け」(P.80~P.81)

 最後は、「豆腐のニラ醤油漬け」。保存容器にニラ、醤油、砂糖、にんにくに、酒、オイスターソース、XO醤を入れて混ぜたものに、水切りして食べやすいサイズに切った木綿豆腐を一晩漬け込めば完成。食べる時にラー油をかける。

 オイスターソースとXO醤の旨みたっぷりのタレに漬け込まれた豆腐は、豆腐自体の旨みと相まってまさに旨みの宝庫。そこに加わるニラの刺激がたまらない一品だ。冷蔵庫にこれがあると思うだけで、帰るのがちょっと楽しみになりそう。

 どのメニューも、難しい要素は何もなく、ただ“漬け込む”という時間が料理を育ててくれる仕組み。少し早くひと手間加えるだけでこれが食べられるなら、ちょっとくらい頑張れるというものだ。この『寝ている間においしくなる』には、ほかにも「ガーリックシュリンプ」や「スペアリブのマーマレード漬け」「エゴマ葉の醤油漬け」など作ってみたいレシピがたくさん。この本を見て漬け込みレシピをマスターし、最低限の手間で最大限に食事を楽しみたい。

調理・文=つきのんキッチン