渋谷vs.池袋……駅同士の直接対決が実現!?『ライバル駅格差』

社会

2018/8/7

『ライバル駅格差「鉄道史」から読み解く主要駅の実力』(小川裕夫/イースト・プレス)

 通勤通学や旅行、実家への帰省など、私たちの生活にとって欠かせない鉄道。そんな鉄道が停まる駅には、人知れず“ライバル関係”にある駅が多数存在しているという。

 先日発売された『ライバル駅格差「鉄道史」から読み解く主要駅の実力』(イースト・プレス)では、鉄道ライターの小川裕夫氏が、独自に考案した「拠点力」という基準をもとに、首都圏22駅のうちでライバルと目される駅が火花を散らしている。

 ちなみに、ライバル駅の選定について小川氏は以下のように定義している。

街のポテンシャルが拮抗していることでライバルとなっている場合もあれば、同じエリアや沿線で覇権を争っていることもある。歴史や街の成り立ちが似ていることからライバル駅になったケースもあるだろう

 これらのライバルの駅同士がしのぎを削ることで、街が発展していく、と小川氏は分析する。それでは、対決の一部を見てみよう。

■渋谷駅×池袋駅 若者に人気の最強副都心対決

 日本屈指のターミナル駅、渋谷駅と池袋駅は、どちらも若者パワーで発展してきたという共通点があるライバル駅。この項では、渋谷が関東大震災以降も開発が進まず「東京の片田舎」というイメージが強かった時代から、東京急行電鉄の五島慶太が破竹の勢いで発展させた経緯。そして、90年代を代表する若者文化「渋谷系」の大流行など、鉄道と街の歴史をひもといている。

 一方の池袋駅は、ターミナル駅を構える西武池袋線と東武東上線の両線が、戦前に「都内の民家から排出される日々の糞尿を肥料として運搬する列車」を運行していた。そのため、片田舎の渋谷同様、垢抜けない駅だったという。そんな池袋を一変させたのが1978年に開業した「サンシャイン60」。開業当初は集客に苦戦していたが、1984年に「東急ハンズ」がオープンしたこともあり、一気に若者の人気スポットに変貌した、という歴史がある。

 渋谷駅と池袋駅は、その歴史と発展に共通点が多くあり、図らずも切磋琢磨しながら成長を続けているのだ。

 両駅の勝敗については言及されていないが、同書に綴られた駅の歴史と特徴を知れば、知見を広げるきっかけになるはず。

 また、別の章ではこれから“伸びる駅”を見極める方法や、大阪、名古屋、福岡などの大都市ライバル駅対決など、バラエティ豊かなテーマが並ぶ。『ライバル駅格差』を手に、普段何気なく使っている駅とその周辺を探索してみると、新たな発見があるかもしれない。

文=粟田ヒエ